世界遺産の平等院、そして宇治茶で有名な京都府宇治市周辺には、多数のお茶屋が店を構えている。そしてそのうちの多数の店舗は、店内で抹茶をはじめとした和素材を使用した和スイーツが味わえる。その中から代表的なお店の一部を紹介しよう。
明治期の茶商屋敷の姿を留める趣深い店構え
JR宇治駅南口を出てそのまま1分ほど直進すると、明治期の茶商屋敷の姿をとどめる歴史ある建物が目の前に現れる。1854年創業の茶商「中村藤吉」の直営本店である。
店内奥には茶工房を改装した喫茶室があり、こちらで人気が高いのが名物「生茶ゼリイ(720円)」。よく冷やされた竹の器に、手作りの生ゼリーと抹茶アイスクリーム、白玉、小豆がバランスよくトッピングされており、ゼリーのぷるんとした口当たりとさっぱりとした甘さがクセになると評判だ。
「宇治のふきよせ」(780円)も同店の人気メニュー。抹茶とほうじ茶2種類のシフォンケーキに、生クリーム、ソフトクリーム、2切れのフルーツが。さらにソフトクリームの底には粟のフレークも敷かれており、一皿でいろんな味わいが楽しめる。
宇治橋のたもとにて平安末期から始まった老舗
宇治川に架かる宇治橋の東詰に店を構えているのが「通圓茶屋」。宇治橋のたもとで橋守をし、旅人の無病息災を願ってお茶を出していたという、平安末期1160年創業の老舗中の老舗だ。吉川英治の小説「宮本武蔵」の中にも、武蔵の恋人、お通が通圓茶屋で休む場面が登場している。
同店の茶房では、「お抹茶とお菓子のセット」(茶だんごやもなかなどから選択、630円)などの定番メニューはもちろん、陶器の器にバニラと抹茶アイス、そして生クリームを添えた「抹茶パフェ」(830円)も人気だ。
多彩な甘味メニューをそろえる有名店
宇治橋から県道7号線を北東へ400mほど行ったところには、宇治のお茶屋でも特に知名度の高い「伊藤久右衛門」の本店がある。こちらも江戸時代の1832年から続く、歴史あるお茶屋。店内に併設された茶房には多彩なメニューが用意されている。
中でも「宇治抹茶パフェ」(630円)は、みずみずしくて香り豊かな抹茶ゼリーと、白玉や大納言小豆との相性が抜群。また、ほかにも「抹茶ババロア&ゼリー」(630円)や、「抹茶ぜんざい」(630円)なども人気である。
宇治には、これらのほかにもたくさんのお茶屋があり、ここで紹介したお店を含め、スイーツ以外に抹茶そばなどを提供しているお店も少なくないのでランチにもオススメだ。また、お茶たてや製茶を体験できるところもあり、京都市内とはまた違った楽しみが満喫できるスポットなのである。
※記事中の情報・価格は2014年3月時点のもので、4月1日以降変動している可能性があります