Googleの検索トップページのロゴが、記念日やイベントごとに1日限定で変わっているのを見たことがある人は多いだろう。ちょうど本日4日は、鳥瞰図絵師の吉田初三郎にちなんだDoodleが登場しており、毎回ユニークな趣向をこらしたデザインや仕掛けが話題になることも度々だ。

「Doodle」は偉人の生誕を祝う趣旨で作られている物も多く、その人選は一筋縄ではいかないトリッキーな内容で、見た人の驚きや興味をそそる。「Doodle」を制作する題材のセレクトは、一体どのように行われているのだろうか。今回は、Doodleのテーマとなるアイデア出しの方法やビジュアル制作のプロセスなど、"Doodleの作り方"について、Google東京オフィスのDoodle担当者である福江麻衣氏と三浦健氏に話を聞いた。

東京オフィス内でDoodleにまつわる業務などを取りまとめている、ブランドマーケティング マネージャーの福江麻衣氏(左)。福江氏をWeb制作の観点からサポートするウェブマスタ-・三浦健氏(右)も同席してのインタビューとなった

――まず最初に、記念日にGoogleのロゴを特別なデザインにする「Doodle」が始まった経緯を教えてください。

福江:一番最初に掲載されたDoodleは、1998年に作られた、創業者のラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンが、砂漠の真ん中で行われる「バーニングマンフェスティバル」というお祭りに出かけるという内容でした。当時Googleは創業したばかりで、彼らがサーバを管理していたので、ふたりの不在をユーザーに伝えるためにロゴのデザインを変更したのが始まりです。創業当時の詳細な経緯までは分かりかねるのですが、それが好評だったところから、ユーザーとさまざまなお祝いごとをするために、特別なロゴを作ろうという流れになったのだと思います。

三浦:事の始まりは、創業者のイタズラ心から時折ロゴのデザインを変えてみるというようなところだったのですが、ある時期から当時インターンだったデニス・ファンという社員が専業でロゴを描くようになり、徐々にグローバルで限定デザインのロゴを表示する機会を持つようになっていきました。今では世界中からのリクエストに対応するため、Doodleを作るための専属チームが結成されています。

――専属のDoodleチームはやはり米国本社にあるのでしょうか?また、Doodleチーム内にDoodlerは何名くらいいるのでしょうか?

三浦:はい、中心になっているのは米国本社ですね。各国から寄せられたアイデアを米国本社に提案して、ロゴのデザイン制作は各国オフィスとDoodleチームでやりとりしながら、二人三脚で進めているような形です。

福江:Doodlerの数について、はっきりした数字はお伝えできないのですが、そこまで多くないですね。それに、世界中でアイデア出ししている人も含めて全員がチームという認識で、Doodleチームについてもたまたま現在米国にメインの拠点があるというような状態です。

――では現在、日本国内にDoodleを描く「Doodler」は在籍しているのでしょうか?

三浦:現在は在籍していないですね。日本オフィスで初めてDoodleを描いたのはウェブマスターの川島優志なのですが、彼は今は米国本社に在籍しています。彼はもともと、業務のうち20%を興味のある内容に振り分けてよいとしている「20%プロジェクト」としてDoodleのデザインに携わっていました。ここ最近は初代Doodlerのデニスと共に、Doodle以外のプロジェクトに従事しています。