LTE対応スマートフォンの普及が進む中、格安通話サービスが注目を集めてきている。「050 plus」や「SMARTalk」などのIP電話アプリのほか、「G-Call」や「楽天でんわ」といった電話回線を利用した通話サービスも話題になるなど、2014年も格安通話サービスは注目ジャンルとなりそうだ。本稿では、マイナビニュースの過去記事も紹介しながら、さまざまな格安通話サービスの特長や違いなどをまとめてみたい。

格安通話サービスが注目される理由とは?

まずはじめに、さまざまな格安通話サービスが登場し、注目を集めている背景としては、携帯各社が販売するLTE対応スマートフォンでは、通話料が高くなりがちという点が挙げられる。フュージョン・コミュニケーションズが12月に提供開始した「楽天でんわ」についてのマイナビニュースのレポートでも解説している通り、LTE対応スマートフォンでは、各社ともに無料通話分がなく、通話料が21円/30秒という割高な料金プランが一般的だ。そのため、電話をかける機会が多いと通話料がかさみ、月間の利用料金が高額になってしまう可能性がある。

「楽天でんわ」をはじめとして、さまざまな通話料節約サービスが登場している

楽天でんわは、10.5円/30秒という通常の半額の通話料で電話をかけられるスマートフォン向けの通話サービス。専用アプリから発信すると、相手の電話番号の頭にプレフィックス番号が自動的に付加され、フュージョンの電話回線を使った通話となる。IP電話アプリのようにパケット通信を利用して通話する仕組みではなく、電話回線を利用するため、通話品質が良いのが特長だ。また、初期費用や月額基本料は無料となっており、使った分の通話料だけ支払えばよいというのもポイント。

IP電話アプリの利用料金、通話品質は?

LTE対応スマートフォンの通常の半額となる通話料で通話できるのが楽天でんわの魅力だが、IP電話アプリではさらに割安の通話料で電話をかけることができる。IP電話アプリとして代表的なのがNTTコミュニケーションズが提供する「050 plus」であり、その対抗馬となるのがフュージョン・コミュニケーションズの「SMARTalk」だ。

マイナビニュースでは、両アプリを比較したレポートを掲載している。料金面での違いは、050 plusが月額基本料315円となっているのに対し、SMARTalkは月額基本料が無料。また、通話料では、050 plusは固定電話宛が8.4円/3分、携帯電話宛が16.8円/分であり、SMARTalkは固定・携帯電話宛ともに一律の8.4円/30秒となっている。携帯電話宛の通話料は1分換算すると同様となり、大きく違うのは固定電話宛の通話料で、050 plusがかなり割安だ。しかし、050 plusは月額基本料がかかるため、固定電話宛に頻繁に電話をかける人に向いていると言え、あまり電話をかける機会がない人はSMARTalkを選んだほうが良さそうだ。

IP電話アプリの「SMARTalk」「050 plus」の比較表

また、SMARTalkを実際に1周間試用したレポートも紹介しているが、Wi-Fi環境やLTEの電波状況が良いときは、通話品質はスマートフォンの通常発信と比べても遜色ない結果となった。スマートフォンがLTEに対応したことで、無料通話分のない料金プランしか選べなくなったが、同時に、パケット通信を利用するIP電話アプリを外出先で使う際はLTEが快適であり、IP電話アプリはまさにLTE対応スマートフォンに最適なサービスだと言える。

SMARTalkのAndroidアプリ。月額基本料が無料なのが魅力