『バガボンド』『リアル』などでおなじみの井上雄彦氏が1990年より週刊少年ジャンプ(集英社刊)で連載した『SLAM DUNK (スラムダンク)』。バスケットボールをテーマにした本作は、リニューアルされた完全版を含め、コミックスの売り上げが累計1億部に達する人気タイトルとなっている。

『スラムダンク』のデジタルリマスターHD版が11/3よりキッズステーションにて放送開始

『バガボンド』『リアル』などでおなじみの井上雄彦氏が1990年より週刊少年ジャンプ(集英社刊)で連載した『SLAM DUNK (スラムダンク)』。バスケットボールをテーマにした本作は、リニューアルされた完全版を含め、コミックスの売り上げが累計1億部に達する人気タイトルとなっている。

1993年にTVアニメ化された『スラムダンク』は、大黒摩季やZARDなどを起用した主題歌とともに大きな話題を呼び、いまだ高い人気を誇っているが、今年2013年、TVアニメ化20周年を記念して、「デジタルリマスターHD版」となり待望の復活! 2013年11月3日よりCS放送局・キッズステーションにてTV初放送されることが決定した。

そこで今回、注目のデジタルリマスター版の放送を前に、主人公・桜木花道役を担当した草尾毅に、あらためて作品の魅力などを振り返ってもらった。

草尾毅が振り返る『スラムダンク』

――『スラムダンク』の放送20周年を記念して、「デジタルリマスターHD版」の放送が決定しました

草尾毅

草尾毅「ついに来たか、という感じですね。デジタルリマスターHD版になって、どこまで昔のフィルムがきれいになるのか、自分も早く観てみたいです。当時とは画面のサイズも違っているので、どんな映像になるのか、いろいろなことを妄想しつつ、わくわくしています」

――20年前、放送当時を振り返ってみると?

草尾「僕自身、声の仕事を始めてからしばらく経った時期で、右も左もわからないところから、ちょっとずつわかってきたと思ったら、やっぱりまったくわかっていなくて、さらに右も左もわからなくなっていた時期でした(笑)。主人公にせよ、そうでないにせよ、それぞれにキャラクターには何か背負っているものがあるわけですよ。僕の仕事はそれを声で伝えるわけですけど、それが本当に大変なことだっていうことがわかり始めた時期でもありました」

――そんな時期に出会った桜木花道というキャラクターはいかがでしたか?

草尾「とにかく赤い髪のリーゼントに目が行くんですよ。リーゼントはまだしも、髪が赤いんだ……って。まずはそのインパクトが強烈だったのを覚えています」

――実際に演じてみていかがでしたか?

草尾「とにかく彼は24時間ずっと怒っているんですよ。何に対して怒っているのかはわからないけど、とにかく普通に喋らない。春子さんの前だけは緊張して『は、は、春子さん』なんだけど、それ以外の人には『流川、ドアホ、コノヤロー』ですし、友だちに対しても『ふざんけんな、コラ』みたいな感じじゃないですか。何に対して苛立ちを感じていて、何でこの人は普通に喋ってくれないのかなって思ってました(笑)」

――そのあたりに草尾さんなりの答えってありますか?

草尾「結局、自分と世の中のギャップに苦しんでいたんだと思うんですよ。自分が思ったように行動したり、発言したりすると、本当は友だちになりたいのに嫌われたり、良かれと思っていっているのに傷つけてしまったり。自分は自分のことしかわからないから、自分でいたいんだけど、自分でいることと世の中が上手に噛み合っていかないことで戸惑っている。でも、それさえもわからずに、ただ野生動物のように怒りという感情でしか表現できないんだろうなって、そんな感じで理解していました」