【レポート】

IPビジネスからの脱却 - RAMBUSが目指す新たなビジネスモデル

1 変わるRAMBUSのビジネスモデル/製品/テクノロジー

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既報の通り、RAMBUSは6月7日に都内で記者説明会を行ったが、同じ話をComputex開催中の6月5日に台北でもう少し細かく聞いてくることが出来たので、この詳細を御紹介したいと思う。

実は2012年、RAMBUSは大きな変化があった、これまで同社を率いてきたHarold Hughes氏が2012年2月に引退を表明、6月25日には後任としてRonald Black博士が同社の社長兼CEOのポジションについた

Hughes氏は当初、引き続き取締役会には残ったが、こちらも2013年3月には引退している。さて、そのBlack博士の下でRAMBUSは2012年8月にリストラを行い、この結果としておよそ社員の15%を削減すると共に、新たなビジネス組織を構成することになった。

実はこうした動きは日本オフィスも無縁ではなかったようで、2005年以来本国のVice President兼日本オフィスの社長を務めていたEric Ries氏に代わり、2012年10月よりSuzuki Hirokazu氏がDirectorを勤める事になっている。

さて説明会では、まずそうした社内の組織や方向性の変更、それと主要な製品の概略についてまずJerome Nadel氏(Photo01)から説明が行なわれた。Photo02は主要なRAMBUSの歴史をまとめたものだが、2009年を前後して内容ががらっと変わっている事が判る。端的にいえば、2009年までは社名の通りDRAMのI/Fを主眼にした会社だったのが、2009年から方向性がやや違う方向に移行しているのが判る。

Photo01:同社でChief Marketing Officerを勤めるJerome Nadel氏。手に持っているのが、今回発表したL'ImageのLEDライトバルブ。後で出てくるSteven Woo博士の上司に当たる

Photo02:2009年のLighting & Display technologyの話はこちらの最後で触れている。Cryptgraphy Researchの話は後述。Unity Semiconductorの買収も後で少し触れたい

さてその会社の方向性をまとめたのがPhoto03である。単に一番中核となる"Micro ingredients"(小さな要素)だけでなく、Core/Chip/Module/...と、より大きなレベルでのサービスや製品の提供をも行なうという方向性になったことがここから判る。これについて、後でWoo博士は「Unity Semiconductorの買収により、我々はChipレベルの製品提供を行なう能力を得た」としており、この買収の前後あたりから方向性の転換が考えられていたようだ。この結果として、同社はPatent Licensingのみの会社から一歩抜け出す方向性を打ち出した事になる(Photo04)。

Photo03:従来のRAMBUSは、言ってみれば"Micro ingredients"のみを提供する会社であり、これは大きな方向転換とも言える

Photo04:従来もMemory ControllerなどのIP Licensingは行なっていたから、Technology Licensingもそれなりの比重があったことになるが、Products & Servicesに関しては従来は存在しなかった分野だ

さて、こうした方向性の転換に伴い、当然方法論が変わってくる(Photo05)。一番目を引くのは"Focus is bringing invention to market, not just inventing"(発明したものを市場に届けることを重視し、発明することそのものは重視しない)のメッセージだろう。これと一緒に明らかにされたのは、戦略の見直し(Photo06)である。"Litigation Spend"(訴訟費用)の削減というのは、従来の特許戦略を維持する限り到底実現できないものであり、つまり特許戦略そのものの方向性を変えるという意味合いに取れる。またCustomer FocusやOpportunity Momentumを増やす、というメッセージも非常に意味深である。

Photo05:もちろん、これまでも"Collaborating with industry"的なメッセージを発信してきたことは事実だが、ここまで明確に言い切ったのは珍しい気がする。そして同社の"Collaboration"なるものがどんなものだったのか、は読者も御存知の通りだ

Photo06:"Expenseの削減"の代表例が、2012年に行なわれたリストラクチャリングだと思われるが、それだけでなく全体的に経費を削減する方向性に切り替えたとしている

こうした方向性の変更は新CEOであるBlack博士が打ち出したものであり、これにそった形で昨年から今年にかけて同社がアナウンスしたものの一覧がこちらになる(Photo07)。

Photo07:もちろん、これらは全部ではないのだが、主要なマイルストーンである。幾つかのものは、このあと説明が細かく行なわれた

こうしたものを支えるべく、同社は現在Photo08のような組織体制になっている。大きく4つのBU(Business Unit)がそれぞれに属する製品開発を行うが、これらを横断する形でBusiness DevelopmentやLicensing/Salesの組織が設けられており、また全体の開発をさらにRambus Labsが支える格好だ。ということで、続いては4つのBU(とRambus Labs)が提供する特徴的な製品/サービスに関してWoo博士(Photo09)から詳細な説明があった。

Photo08:この中でRambus Labsに関してはあまり詳細な説明が無かったが、基本的には4つのBUに関係する将来の製品開発という位置づけで、たとえばUltraFast Power-On technologyとかMRAM/RRAMの開発、後述するBinary PixelとかLightingに関する改良などを行なっているとのこと

Photo09:Steven Woo博士(Vice President, Enterprise Solutions Technology)。前回と肩書きが変わっており、2013年3月からNadel氏の下に移動されたそうで

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インデックス

目次
(1) 変わるRAMBUSのビジネスモデル/製品/テクノロジー
(2) LPDDR4本格普及までの中継ぎ技術「R+LPDDR3」
(3) 組込機器で生み出されるデータをどうやって保護するか
(4) 買収した光関係デバイス技術を生かし、LED電球を製造・販売
(5) CMOS//CCDイメージセンサのダイナミックレンジ/感度を向上させる技術
(6) 方向性が変わってもRAMBUSはRAMBUS

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