ソニーは6月5日、台湾で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2013」のプレスイベントで、第4世代Core iを搭載した新しい製品群を発表した。その中で特にモバイラーの注目を集めたのが「VAIO Pro 11」だ。カーボン素材とアルミ素材を組み合せることで、約770g(タッチ非対応モデル)、約870g(タッチ対応モデル)という軽さを実現。タッチ対応モデルは「世界最軽量」というインパクトある称号を与えられている(※)。

バッテリ駆動時間についても標準で約11時間、別売の「シートバッテリ」を装着した場合は約23時間という驚異的なスタミナを備える。今回は2013年夏モデルで一番の人気を集めそうな「VAIO Pro 11」をじっくりと観察していきたい。

VAIO Pro 11 (SVP11219CJB)

■[製品名] VAIO Pro 11 (SVP11219CJB) 主な仕様 [CPU] Intel Core i5-4200U (1.60GHz) [メモリ] 4GB (4GB×1) [グラフィックス] Intel HD Graphics 4400 (CPU内蔵) [ディスプレイ] 11.6型ワイド液晶 (1,920×1,080ドット、タッチパネル、IPS) [ストレージ] 128GB SATA6Gb/s SSD [光学ドライブ] 非搭載 [サイズ/重量] W285.0×D197×H13.2~17.2mm/約870g(バッテリ含む) [バッテリ駆動時間] 約11時間 [OS] Windows 8 64bit [店頭予想価格] 160,000円前後

カーボンとアルミの使い分けに注目

VAIO Pro 11のボディは天板と底面の素材に東レの「UDカーボン」を使い、ヒンジ側から手前に向かって薄くなっていくスタイルを採用している。カーボン素材といえば、「VAIO type 505 EXTREME」(2004年)より、同社の超軽量ノートにおける"必殺技"的な素材だが、VAIO Pro 11ではカーボンの加工技術に凄まじい進歩がみられる。

従来のカーボンパーツは基本的に「板」として使われていたが、VAIO Pro 11は本来カーボンが非常に苦手な曲げ加工が施された「シェル」になっている。VAIO Pro 11のデザインは「VAIO type Z」などで採用された「ヘキサシェルデザイン」だが、これをカーボンだけで実現するのは難しい。興味がなければ「だからどうした」的な要素だが、こうした設計や美しさへのこだわりが仕込まれているのは、まさにVAIOならではといってよい。

UDカーボン製天板のコーナーがナナメに切り落とされ、ボディ断面が6角形になる「ヘキサシェルデザイン」によって強度を確保

VAIO Pro 11は縦横に織り目のあるカーボンではなく、繊維が一方向に並ぶUD(Uni Direction)カーボンが使われている。そのため触ってはじめて「カーボンらしさ」が感じられる

底面もカーボンで製造され強度を高めつつ軽量化を実現。裏面中央にもVAIOのロゴを配置したデザインは実に久しぶりだ。ロゴ下の長方形の物体は、別売のシートバッテリと合体させるための端子カバー

※タッチパネル機能搭載11型クラスのUltrabookとして。2013年6月10日時点、ソニー調べ。

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