シャアとはどんな人物?

シャアの人物像についての質問では、池田は「いい男じゃないですか。なろうと思ってもなれない。(お酒を呑む時)二杯ぐらいはシャアの気分で呑めるけど、帰りがひどいんです(笑)」と、ずっとシャアでい続けることの難しさを語る。潘は、恋人としてシャアはどうかと問われ、「昭和の女としてはああいう人を支えていくのもいいかなと思うけど、何十年もたった今考えるとつらいかなーって」と、なかなかリアルな感想を述べる。それに対し池田も「僕も日陰の女、というものに憧れるんだけど、いないですなー」としみじみ。池田ほどの男でも三歩後ろを黙ってついてきてくれる女性というものに巡り会えていないのだから、レア度はニュータイプと変わらないのかもしれない。

さらに「シャアが上司だったら?」という問いに、池田は「シャアが上司だったら会社をやめます。違う職種に着きますね。太刀打ちできないから」と答える。潘は「女になるっきゃないかな(笑)」と先ほどの結婚相手としてはつらい、という評と変わって「ついていっちゃってもいいかな、恐いですけど」という。いち女性の意見として、なかなか深いものがありそうだ。それに対し、池田は「シャアは悪いことしないよ(笑)」と、返したが、これには会場にいた全員が心の中で"そんなわけないだろ!"と総ツッコミを入れたのではないだろうか。でも会社の上司ということは、年齢的に手を出さないゾーンか……? そこは深く考えないでおこう。

そして「ララァはシャアとアムロ、どっちが好きだったのか?」という問いには、

潘:「どっちでしょう?」

池田:「僕は全然興味ありません(笑)」

潘:「両方好きだったんじゃないかな?」

とのこと。好きなシーンでララァへの言葉を選ばなかったことや「ララァには借りがあるからな」というコメント、「ララァへの借りは一生引きずるのかな……憂鬱です」その他もろもろ含めると池田のララァへの印象というのは実に複雑なものがありそうだ。

他にやってみたかった役は?

池田は「ランバ・ラル、いい女がついていますしね(笑)。散り際もきれいだし」とのこと。潘は「ララァが一番おいしい役なので(笑)。やっぱり一生に一度の役だし、ララァがいいですね」と。確かに今なお特別な存在として残っているのはララァで、ほぼ全話登場のフラウやセイラ、ミライよりもすごく長い目で見ればララァなのかな、といったところだろうか。キャラクターというのは短期でみるか、長期でみるかでも印象はいろいろ変わりそうだ。

今、シャアとララァを演じ直したら?

観客から寄せられた、「今演じ直したらどう変わるでしょうか?」という質問。噂される『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を意識してのものだったかもしれないが、

池田:「今は経験というものがあるから(芝居は)変わるだろうけど……ララァのこと、お母さんと呼んじゃうんでしょうか?」(場内爆笑)

潘:「どうしよう? こんな大きな子がきたらどうしよう?(笑)」

もちろんやるとなれば真剣でこれは冗談だろうが、やはりいろいろ考えてしまう部分はあるようだ。池田の場合は特に『逆襲のシャア』の記憶がある上で一年戦争のシャアを演じるとなると、なかなか簡単ではなさそうだ。DVDで録り直した時に潘が「最初から録り直したい~」と言ったら、池田は「あの時の演技はあの時しかできないんだから、それでいいんだって。シャアっぽいでしょ?」と語った。とはいえもう一度やったら……

潘:「情が深くなるかな?」

池田:「ちょっと(芝居が)いやらしくなっちゃうかもね」

潘:「そうね、あの時のあっさりした感じではできなくなってるかもね」

来年は35周年だが……?

イベント終盤はジャンケン大会で、池田と1/1スケールシャア専用ザクII頭部の前で一緒に記念撮影ができる権利と、今日のパンフに潘のサインがもらえるという勝つしかない熱いバトルが繰り広げられた。そして最後におふたりは、こんなイベントができるのもみなさんのおかげですと感謝を述べ、さらに「来年は35周年、いろいろやりますが、ご期待ください」と、ファンとしては大変うれしい言葉で締めくくられた。

さて、何が待っているのか、貯金して待て……と、いいたいところだが、来場していたファンはみな「ガンダムフロント東京」のショップでバンバン限定プラモやグッズを買い込み、ガンダムカフェでガンプラ焼きや期間限定赤い彗星ビアカクテルなどを腹に収めていった。かくいう筆者も、レッド・アイ(ビールとトマトジュースのカクテル)だと思われる赤い彗星ビアカクテルを片手にライトアップされた「RG1/1 RX78-2ガンダムver.GFT]を眺めるという、贅沢なひとときを過ごした。

「シャア・アズナブル展」は6月5日まで開催中

「ガンダムフロント東京」では今後もイベントを開催予定。現在はガンダム放映当時の超合金やプラモ、めんこやガン消しなどをシャア・アズナブル展とともに展示中で、ドーム型シアターでの映像アトラクションなどファンなら楽しめること間違いなし。詳しくはこちらをチェック、なのだが、ドーム型シアターの順路の壁に描かれている歴代MSの先頭を飛んでいるのがヅダ! といえばここがどういうところなのか、程度が分かってもらえるだろう。池田さんも「見てください!」と、まさかのシャクティのセリフ(たぶん偶然)で言っていましたよ。

(C)創通・サンライズ