パンケーキブーム、ところでホットケーキと何が違うの?

これはパンケーキ? ホットケーキ??

ハワイの「カフェカイラ」など、海外からパンケーキ専門店が日本に上陸し、話題を集めている。また、コーヒーチェーンの「星乃珈琲店」で提供する厚焼きふわふわの「名物スフレパンケーキ」も人気。いま、ちょっとしたパンケーキブームが巻き起こっているのだが、ちょっと待てよ。パンケーキってホットケーキとは別物なのだろうか。

パンケーキとホットケーキ、それぞれの定義を皆さん考えてみてほしい。

「パンケーキはスクランブルエッグやベーコンと一緒に食べる食事系のもの。ホットケーキが蜂蜜やメープルシロップをかけた甘いもの」。もしくは、「ホットケーキは厚みがあって、パンケーキは薄いタイプ」。こんな風に考える人もいるだろう。

さまざまな文献でその違いを調べてみた結果を総合すると、パンケーキとはフライパンなどで焼いたケーキの総称。フランス語の「パヌケ」(pannequet)が英語のパンケーキにあたり、クレープ生地でクリームなどを巻いた甘いものから、前菜にもなる塩味系のものまで幅広い。つまりはパンケーキの中にクレープもホットケーキも含まれる、といった解釈がなされている。ちょっと意外な結果かもしれない。

森永製菓の見解は……

では、ホットケーキに関しての定義はあるのだろうか。ここで、ホットケーキミックスとパンケーキミックスを販売している森永製菓にホットケーキの定義について聞いてみることにした。すると、「諸説あるようですが」と前置きしつつ、「ホットケーキは小麦粉、卵、牛乳、砂糖などを混ぜて、フライパンなどで円形に焼いたもの。甘くて、厚みのあるものをホットケーキとしています」との回答だった。ちなみにパンケーキはというと、同社のミックス粉は「砂糖不使用で甘くなく、食事に合うような品質にしています」。つまり、森永製菓では「ホットケーキは厚みのあるスイーツ系、パンケーキは食事系」という見解だ。

森永製菓ではパンケーキミックス「お食事パンケーキ」とホットケーキミックス「森永ホットケーキミックス」を販売している

ちなみに、1953年にパンケーキをメニュー化した帝国ホテルでは現在、「インペリアルパンケーキ いちご添え」として提供している。こちらは"パンケーキ"とあるがスイーツ系のメニューである。ホテルニューオータニでは、リコッタチーズを生地に使い、イチゴや蜂蜜入りバター、メープルシロップをプラスした「ニューオータニ特製パンケーキ"あまおう"添え」を販売。こちらは結構な厚みもある。

なるほど、パンケーキとホットケーキの解釈は、本当にさまざまである。こんなにもブームになっているのに、定義づけがなされていないのも少し不思議な気がするが……。

最近では、ネット上にホットケーキやパンケーキのレシピもたくさん出回っている。趣向を凝らしたレシピも多く、その中から自分好みのものを見つけ出し、パンケーキ&ホットケーキづくりにチャレンジしてみるのも楽しいだろう。まずは難しいことを考えず、パンケーキやホットケーキのおいしさを体感してみてはいかがだろうか。