染谷将太
1992年9月3日生まれ 東京都出身
9歳の時に映画『STACY』でキャリアをスタートさせ、子役時代からさまざまなジャンルのドラマ、映画で活躍。長編映画初主演作は映画『パンドラの匣』。2011年公開の映画ヒミズ』で共演した二階堂ふみと共に、最優秀新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。今年には『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』で、「第66回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞」を受賞している

――舞台あいさつを見ていて、染谷さんと二階堂さんは、特に主演の伊藤英明さんに可愛がられていたように感じられたのですが、伊藤さんとの共演はいかがでした?

染谷:「対峙するシーンは少なかったのですが、何を考えているか分からなかったし、何をしてくるのか読めなかったですね。そこが役者としてすごいというか、向かい合って目と目を合わせた時は本能的に『あ、殺される』って思いました(笑)」

二階堂:「私は伊藤さん演じる蓮実を見て『絶対に関わりたくない』って思っていました(笑)。伊藤さんはどう思っていたのか分かりませんが、私は最初から壁を作っていましたね。もはや存在そのものが恐怖というか。詳しくは言えませんけど、ラストシーンで彼女はすべてを悟るんですが、その時の絶望感といったらもう……」

――そこでタイトルにもある「悪」とつながってくると思うのですが、改めて「悪」というものについて考えてみると?

染谷:「大前提としていつも思っているのは『悪』というのはすべての人が持っているもので、そのことについて特に違和感はないし、どう表に出るかの違いであって、あえて言えば自然なことだと思うんです。世の中にはすごく良い人もいれば、すごく悪い人もいるわけで。僕個人としては、すごく良い人は信用できないですけど(笑)。ただ、この作品でいえば蓮実先生はすでに『悪』を通り越していると思いましたね」

二階堂:「私はこの作品で『悪』を俯瞰で見ることができたのですが、誤解を恐れずに言えば、悪ってなんて魅力的なんだろうと思いました。例えばパンクとかヤンキーとか、多くの人が惹かれるものって、どこか『悪』のエッセンスが入っていると思うんですよ。今回、クラスメートの蓼沼将大役のKENTAさんを見て『この人、ホントに悪そうでいいなぁ』って思ったんですけど(笑)、おとなしい良い子より悪そうな人に魅力を感じてしまうことってあるじゃないですか。もちろん、行きすぎてしまうとダメですが、『悪』と聞いて私はそんなことをイメージします」

――映画『ヒミズ』ではヴェネチア国際映画祭の最優秀新人俳優賞ダブル受賞し、それに続いて『悪の教典』での共演となったわけですが、改めてお互いのことをどう見られてますか?

二階堂:「この間、共通の友だちと染谷くんの誕生パーティーをやろうとしたんですけど、肝心の染谷くんが来られなかったんですよね(笑)。ですから次はぜひ、みんなでもんじゃ焼きを食べに行きたいです」

染谷:「あ、言われちゃった。どうでしょう……なんか不思議な感じなんですよね、二人の距離感というか間柄って。一緒にすごい体験をした"仲間"というか、一回行くところまで行っちゃったというか……あ、ヘンな意味じゃないですよ(笑)」

二階堂:「"戦友"みたいな感じだよね。確かにお互いすごく助けられていた時期もあったけど、今ではそれも通り越して、いつでも新鮮な気持ちで会えるというか」

染谷:「そうだよね」

――最後に、少し早いですが2013年の仕事の抱負とプライベートの抱負、どちらか一つ選んで教えていただければと

染谷:「じゃあ僕は仕事について。来年は『新しいこと』にいくつか挑戦します……意味深ですが(笑)」

二階堂:「私は来年は受験が控えているので、どうか無事に進学したいです」

染谷:「できれば勉強を教えてあげたいけど、全然頼りにならないと思う(笑)。まぁ、お互い健康に、ということで」

二階堂:「そうだね(笑)」

映画『悪の教典』は11月10日(土)より全国東宝系で公開。その前日譚であり、もう1つの物語である『悪の教典-序章-』は現在「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で独占配信中。