日本時間の20日午前2時ごろにダウンロード可能となった「iOS 6」の新機能のポイントご紹介、今回はすでに話題に上っているマップのほか、Safari、写真、iTunesなどの機能が従来のものからどのように変化しているかをチェックしていこう。「電話、Siri、メール編」も併せてお読みいただければ幸いである。
マップ
すでにあちこちで話題になっているが、やはり一番の問題はマップだろう。これまでGoogle Mapからデータを表示していたものが、自社開発のものに置き換わった。Map APIを使ったアプリもこれに倣うため、他の地図アプリでもAppleのMapが表示されている。経路検索は車での移動に関してはナビ機能があり、Siriが音声で案内してくれる。電車での移動に関しては、対応するサードパーティアプリに情報を引き渡して検索表示が行われる。
車移動での経路検索にはナビ機能があり、Siriが音声で案内してくれる |
電車移動の場合は、対応するアプリにデータを引き渡して検索を行う。この画面の例でいえば、「経路」ボタンをタップすると「駅すぱあと」で検索が行われる |
3D表示はできるとはいえ微妙な感じで、なによりも地図の情報量が不足しているというのが正直な印象だ。また、一部では表示される場所が違うなどの不具合も報告されている。これらの問題については「問題を報告」機能を使って積極的にフィードバックを送るしかなさそうだ。Google Mapが今のように"使える"レベルになったのも、ユーザーのフィードバックを取り入れたからだと言える。言ってみればAppleのMapはまだ生まれたばかりであり、これからユーザーが育てていく必要があるのかもしれない。
なお、Googleは以前、引き続きiOS向けに(iOS標準としてではなく)マップ機能を提供することに対して前向きなコメントを出していた。YouTubeがiOS標準から外れてもGoogleの提供するアプリとして引き続き利用できるように、Googleマップも引き続き利用できるようになることを期待したい。
Safari
iCloudタブ機能が実装され、Mountain Lion搭載のMacのSafariで開いているタブやiOS6のiPadなど、他デバイスのタブがオンラインで共有されて開くことができるようになった。また、共有ボタンはタップしたときに表示される画面のスタイル・あらわれる項目ともに変更されており、Facebookへの投稿も行えるようになっている。
ブックマークに「iCloudタブ」が追加された。他のデバイスで開いているタブを共有することができる |
共有ボタンを押したときの表示スタイルが変更に。項目も増え、Facebookへの投稿ができるようになった |
写真・カメラ
写真では、フォトストリームに共有機能が追加され、iCloud上にアップした写真を家族や友人にも見てもらえるようになったというのが最大のポイントか。例えば一緒に遊びに行った友達と写真をシェアしたいときなど、簡単に共有できるようになる。以前であればMobileMeの写真共有機能を利用したものだが、iCloudへの移行によってそれが利用できなくなってしまっていたため、これはうれしい機能だ。
カメラには、パノラマ撮影機能が標準で追加された。実は内部的には以前から搭載されていた機能だともいうが、ようやく正式リリースできる水準にまで達したということだろうか。これまでサードパーティ製アプリを利用して行っていた特殊撮影が本体のみでできるようになってしまったわけで、この種のアプリを制作してきたデベロッパーにはこのさらに上をいく高水準のパノラマ撮影アプリをあらためて開発してほしいところである。
共有フォトストリームでは共有相手を決め、名前を付けて公開Webサイトを作成すると、共有相手とフォトストリームを共有できるようになる |
カメラに追加されたパノラマ機能。撮影ボタンを押してカメラを移動させると、その動きに合わせて真ん中の画像がパノラマで撮影される |
iTunesストア、App Store、ミュージック
iTunesストア、App StoreなどのUIも刷新された。どちらもMac/PC上のiTunesからアクセスするストアのデザインに近づいた印象。見やすさはだいぶ向上している。
ミュージックも微妙に配色が変更となっているのがおわかりだろうか? ちなみにPodcastは専用のアプリが導入されたため、そちらへ移動となっている。
前回のコミュニケーション関連の機能に引き続き、今回はマップや写真・カメラといった利用頻度の高い機能を中心に新しくなったポイントをご紹介した。次はFacebook連携やPassbookといったまさにiOSで導入されたばかりの新機能をチェックしてみる。