NECの「LaVie Z」と言えば、約875gという本体重量を実現し、今もっとも注目を集めているUltrabookの1つ。そんなLaVie Zが編集J氏の私物として編集部にやって来た。「落ち着いてセットアップする時間がない~」と聞きつけ、「じゃあちょっとだけ貸して下さいよ~」と言ったところ、快諾(?)してくれたJ氏に感謝しつつ、LaVie Zの勝手レポートをお届けしたい。

J氏とのやりとりを見ていた編集長に、「パソコンチャンネルの担当が1人も(LaVie Zを)買わないってどういうことだ。あぁ?」と、やんわりお叱りを受けたのはさておき(J氏は別チーム)、これまで15.6型のヘビー級ノートPCをかつぎ回って仕事をこなしてきたJ氏のためにも、短い期間とはいえしっかり使わねば。

手元にやって来たLaVie Z。必死に机を片付けましたよ、ええ

実は、筆者も「NEC Direct」でLaVie Z(正確には直販モデルなので「LaVie G タイプZ」、今回J氏が購入して編集部に届いたのも同様)をポチる寸前だった。2010年3月に買った某社の某モバイルノートがなければ、確実にポチっていたはず。そうこう悩んでいる間に、NEC Directでは注文殺到で納期が延び、LaVie Zの店頭モデルも品薄になっているそうな…。買えないと欲しくなるのが人情。ただ、最近はNEC Directモデルも店頭モデルも在庫が回復してきているとのことなので、近いうちにLaVie Zは買うつもりでいる。

軽いっていいな。

さて、LaVie Zの大きな特徴は、本体の一部にマグネシウムリチウム合金を採用し、約875gという軽さを達成したこと。LaVie Zに関しては、レビューや発表会レポートなど多数の記事が掲載されているので、そちらも合わせてご一読いただきたい。

マグネシウムリチウム合金は比較的新しい素材で、リチウムは世界の需給ギャップが拡大中と言われているレアメタル。筆者は電池以外には使われない素材だと思っていた…(不勉強でお恥ずかしい)。地球のリチウム埋蔵量自体は豊富とも言われているので、マグネシウムリチウム合金の加工技術が進んだら、近い将来には工業製品の標準的な素材になるんだろうな。

器用な人なら指先で回せるであろうLaVie Z。この写真はあくまで演出なので真似しないように

これまでもLaVie Zの試作機などに触れる機会はあったが、改めて手にしてみると、やっぱり軽い軽い。調子に乗って、バスケットボールのように人差し指の先でくるくる回しそうになった。さすがに人様からの借り物なのでやらなかったが。約875gは絶対値としてはそれほど軽くはないものの、UltrabookやノートPCという見た目と意識があるので、ものすごく軽く感じる。誰かに持たせてみると、十中八九「軽っ!」と言うに違いない。

この「軽い」というのは、モバイル中心でUltrabookを考えている人にとって、唯一無二の価値になり得る。バッテリ駆動時間は公称値で約8.1時間、弊誌のレビューによる実測値では約6時間40分と、筆者の感覚では若干もの足りないところ。ただ、1時間で約80%まで充電可能な急速充電機能があるので、電源を使えるカフェなどを利用すれば、丸一日の外出でもカバーできそうだ。

ちなみに、付属のACアダプタと電源ケーブルの重量は、実測で約300g。本体と合わせて1.2kg弱だ。そのACアダプタも薄型で、かばんの中でかさばらなくてありがたいのだが、個人的に惜しかったのは本体と接続するコネクタ。角形なのは良いとして、ACアダプタ側のコネクタをL字タイプにして欲しかった。本体に電源を接続すると、コネクタ部分が本体の右側に5cmくらいどうしても出っ張る。狭く散らかったデスク上で意外と邪魔になり(片付けろ)、見た目にもちょっぴり美しくない。

電源コネクタは角形(写真左)。本体に接続すると右側に出っ張る。根もとから無理に曲げると断線しそうだし…。四角い黄色のシールが貼られた平べったい物体がACアダプタ

次ページからは、ハードウェアとベンチマークテストを改めてご紹介。個人的な感想も多くなるが、良い物だけに気になる部分が出てくるということでご容赦いただきたい。

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