パナソニックの高級コンパクト機「LUMIX(ルミックス) LX」シリーズの最新モデル「DMC-LX7」が登場した。シリーズの5代目にあたり、開放値F1.4の光学3.8倍ズームを新搭載したほか、撮像センサーの一新や液晶モニターの精細化、撮影機能の強化などを実現している。その画質や使い勝手はどうなのか。実写を交えた製品レビューをお伝えしよう。

「LUMIX DMC-LX7」

「LUMIX LX」シリーズは、2005年に初代モデル「DMC-LX1」を発売して以来、こだわりを持つ愛好家層に支持されている高級コンパクトデジカメだ。2006年にはセンサーを高画素化した「DMC-LX2」を、2008年にはワイド側の焦点距離を24mm相当に広げた「DMC-LX3」を、さらに2010年にはワイド側は24mm相当のままでテレ側を90mm相当に広げた「DMC-LX5」をそれぞれ発売している。

これら歴代のLXシリーズに共通した特長は、開放値が明るいワイドズームを搭載していることと、むやみに高画素化せずに、高解像よりも高感度性能を重視していること。また、横に長い箱形の基本デザインや、ワンタッチでアスペクト比を切り替えられる鏡胴部のスイッチなども継承されている。

ワイド側の明るさF1.4を誇る「LEICA DC VARIO-SUMMILUX」レンズを搭載

絞りリングを備えた光学3.8倍ズーム。35mm換算の焦点距離は24~90mm相当

今回登場した「DMC-LX7」は、こうしたLXシリーズのコンセプトを受け継ぎながら、さらにレンズやセンサーに改良を加えた新製品である。中でも注目は、クラス最高の明るさを誇る、ワイド側F1.4、テレ側F2.3の新型ズームレンズを搭載したこと。35mm換算の焦点距離は、前モデルLX5と同じ24~90mm相当だが、ワイド側とテレ側の開放値がそれぞれ約1段分明るくなっている。

約1段明るいということは、約1段速いシャッター速度が使える、または約1段低いISO感度が使えることにつながり、ブレ防止や画質の面で有利になる。ボケについては、そもそも撮像素子のサイズが小さく、実際の焦点距離(35mm換算ではない)が短いため、大きな期待はできないものの、近接撮影ではそれなりのボケも楽しめる。下の写真は、ズームのテレ側を使用して開放値のF2.3で撮影したもの。背景部分はふんわりとぼけ、立体感のある描写となった。

液晶モニターには、92万ドットの3.0型TFTを搭載する

電源はリチウムイオン充電池で、CIPA規格による電池寿命は約330枚

撮影モード:絞り優先AE(F2.3 1/25秒) / 露出補正:-1 / 感度:ISO80 / WB:晴天 / 焦点距離:17.7mm (オリジナル画像を見る:3,648×2,736ドット)