【レビュー】

デジタルガジェット新時代 - フォトレコーダーという新ジャンルを切り拓く「DMR-HRT300」

1 DIGAにしてDIGAにあらず

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かつて家電とPC、電話は完全に別なものだったが、デジタル化が進む過程で互いに必要とし合う関係へと発展してきた。この「デジタルガジェット新時代」シリーズでは、この3つの分野にまたがるような機能を持つ新製品にフォーカスし、どの点が新しいのか、どの方向へ進化していくのか、あるいは融合していくのかを探っていきたい。

ビデオレコーダーの転換期に登場した、異質なDIGA

かつて「テレビ」は、文字どおりテレビ放送専用の受像器だったが、いまや複数系統の入力端子を備えているのが当たり前、AV機器をつないで使うことが一般的なスタイルとなった。そのタイプのAV機器のなかで、もっとも茶の間に浸透しているのはビデオレコーダー(HDDレコーダー、BDレコーダーなど)だろう。

そのビデオレコーダー、いろいろな意味で変わらねばならぬ時期にある。日本ではこの何年か、地上波放送がアナログからデジタルにシフトするという「デジタル化」の波にさらされたが、それは一過的なものであり、茶の間でのテレビのポジションや使われ方そのものに大きな変化はなかった。光学ディスクもDVDからブルーレイディスク(BD)へと移行が進められたが、変わったのは画質/音質というクオリティに関する部分だ。

録画した番組を見たあとは消すという視聴スタイルが定着し、手間がかかる光学ディスクへのコピー(ダビング)は敬遠されるようになり、さらにはHDDの容量単価下落も手伝い、最近のビデオレコーダーではディスクの購入を促すというVHSやDVD時代のような"継続的な需要を生み出す"機能は低下した。ビジネスという意味でも、転換期を迎えているのだといえる。

光学ドライブを廃止、スマートフォンとの連携によりフォトレコーダー的機能を強化した「DMR-HRT300」

そこに登場したパナソニックの「DMR-HRT300」。同社のビデオレコーダーシリーズ「DIGA(ディーガ)」に属す製品だが、BD/DVDドライブは搭載されていない。形は正方形で、時刻表示を行わないなどインジケーターは簡素化。しかも天板にはワイヤレス給電装置「Qi」が取り付けられていることから、ラックの外に出して使うスタイルが想定されている。名前こそDIGAだが、従来の製品とは明らかにコンセプトが異なるのだ。

「Qi」の給電パネルを兼ねる天板にQi対応デバイスを乗せれば、自動的に充電が開始される(写真はiPhone 4に装着した日立マクセルのQi対応ワイヤレス充電器カバー「WP-SL10A.BK」)

スマートフォンから取り込んだ写真をもとに、ものの1分とかからずこのようなスライドショーを作成できてしまう

スマートフォンと連携した「フォトレコーダー」

DMR-HRT300が従来のDIGAシリーズと一線を画すのは、ハード面だけではない。むしろ注目すべきは、その製品としてのコンセプトと、それを支えるソフト面にある。

そのひとつが、フォトストレージ機能。従来からDIGAシリーズでは、DVDやSDカード経由で写真(JPEG)を取り込む機能を備えているが、現行機種ではスマートフォンから直接ワイヤレスで写真を取り込むことが可能になった。DMR-HRT300は、その特徴を前面に打ち出したモデルなのだ。

写真の転送には、iOS向け/Android向けアプリ「DIGA Contents Link」を利用する。トップ画面にはボタンが3つ配置されており、スマートフォンで撮影した写真をDMR-HRT300へ送信するときには「かんたん送受信」ボタンをタップするだけでOK。これで、最近撮影した写真すべて(前回送信したときとの差分)が転送される。転送する写真を選別したければ、「DIGAへ送る」ボタンをタップし端末側のカメラロールをチェックすればいい。

ボタンをタップするだけで、最近撮影した写真をDMR-HRT300へ転送できる。端末によっては、Qiで充電しながら転送することも可能(画面はAndroid版)

接続先のDIGAを設定すれば準備完了、あとはトップ画面で「かんたん送受信」ボタンをタップすれば写真の転送が始まる(画面はiOS版)

もうひとつの「DIGAを見る」ボタンは、DMR-HRT300に蓄えた写真や動画を確認したいときに利用する。特にアピールはされていないが、DLNAクライアントとしての機能であり、JPEG画像のほかH.264/MPEG-4 AVCムービーを再生できる。後述するスライドショームービーも、この画面からスマートフォンへコピー(持ち出し)可能だ。なお、このアプリはDTCP-IP非対応のため、地デジの番組など著作権保護された動画の持ち出しには対応しない。

このようにカメラロールの中から選んだ写真のみ転送することも可能(画面はiOS版)

作成したスライドショー(H.264ムービー)は著作権保護されていないため、この画面からスマートフォンへコピー(持ち出し)できる

次ページ:入念に作り込まれた「おまかせクリップ」
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目次
(1) DIGAにしてDIGAにあらず
(2) 入念に作り込まれた「おまかせクリップ」
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