【レポート】
ASUSTeK Computerが、ハイエンドクラスのディスクリートGPUを2基、オンボード搭載しているというIntel X79マザーボード「ZEUS」を出展していた。ただしこれはコンセプトの試作とのことで、具体的な製品化は完全に未定というものだ。搭載GPUは、AMD Radeon HDのハイエンドモデルと見られるが、あくまで仮のもので、GeForce GPUでも対応可能なのだとされていた。
このZEUSだが、チップセットはIntel X79 Expressで、ソケットはSandy Bridge-E対応のLGA2011という、ハイエンドプラットフォームのATXマザーボードで、大きな特徴は2つ。まずは前述の、ディスクリートGPUのマザーボード上へのオンボード搭載という点だ。マザーボードには拡張スロットが一切存在せず、その拡張スロットがあるべき場所に、2基のGPUとフレームバッファメモリが直接実装され、GPU用の補助電源コネクタまで設置されている。
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GPU用のフレームバッファメモリ。型番は「H5GQ2H24MFR」とあり、hynixの2Gb GDDR5とわかった |
「VGA_TPU」と印刷のあるスイッチも。これはASUSのグラフィックスカードが備えるGPUオーバークロック機能のものだ |
製品担当者によれば、ZEUSの搭載GPUは非公開とのことだが、一応展示を確認してみると、接続バスがPCI Express 3.0であることや、補助電源コネクタが8ピンと6ピンの組み合わせであることなどから、Southern Island世代のAMD Radeon HD上位モデルを、CrossFire構成で搭載していると考えられる。もっとも、同担当者によると、RadeonでもGeForceでも搭載は可能としている。あくまでも、このZEUSは試作開発だというスタンスだ。
もうひとつの特徴が、「Thunderbolt」の搭載である。実はこのZEUSのコンセプトのメインは、GPUではなくてこちらだ。Thunderboltは、ディスプレイ向けの表示データパケットと、PCI Expressの信号パケットを同時に流すことができる新世代の高速インタフェース。もし将来、Thunderboltの普及が進めば、マザーボード上のPCI Express拡張スロットの重要度は下がるかもしれない、というのが、ZEUSに拡張スロットが存在しないそもそもの理由となっている。拡張スロットが重要でないのであれば、そこに別の"何か"を積んでしまえ、という結果が、このZEUSの特徴的な構成につながっている。
個人的には、ローエンドやメインストリーム向けなど、元々オンボードGPUや内蔵GPUが一般的だったセグメントならまだしも、ハイエンド向けで、CPU並にシステムの性能を左右するGPUが交換できないというのは、やや抵抗がある。まぁ、最初から最上位のマザーとグラフィックスがセットなのであれば、ハイエンドであればあるほどユーザーの投資コスト的にはそう変わらないのかもしれないが……。Thunderbolt普及で訪れるかもしれない、マザーボードの将来の可能性のひとつとして見れば、非常に面白いコンセプトではある。
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