ミシェル・ウィリアムズ

マリリン・モンローの知られざる素顔と秘められたロマンスが明かされる映画『マリリン 7日間の恋』で、マリリンを本人さながらに演じ、第84回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたミシェル・ウィリアムズに話を聞いた。惜しくもオスカーを逃したミシェルだが、受賞式会場での心境を明かすと共に、次回受賞した際のスピーチ案を披露してくれた。

人気テレビドラマ『ドーソンズ・クリーク』のジェン・リンドリー役でブレイクし、映画『ブロークバック・マウンテン』ではアカデミー賞助演女優賞ノミネート、映画『ブルーバレンタイン』では同主演女優賞にノミネートされた。本作ではゴールデン・グローブ賞主演女優賞(コメディ/ミュージカル)を初受賞し、アカデミー賞主演女優賞も本命視されていたが、映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』のメリル・ストリープに持っていかれてしまった。

オスカー・ノミネートも3度目であることから、発表当日は余裕の出席かと思われたが「とんでもない! 20年間のキャリアの中で、最初の15年は仕事を見つけるのも大変なほど苦労していたの。だから『もう、またノミネートされちゃったわ~』なんて気持ちはまったくなかったわ」と即座に否定。「ノミネートされるときは驚きとスリリングさで一杯。仕事がなくて不安だった15歳のときの自分に『大丈夫、あなたには明るい未来が待っているから』と伝えたくなるほど、嬉しいことなの」とオスカーの偉大さを説明する。

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賞を争ったメリルについては「彼女には毎年名誉賞をあげるべき。女優として人間として、そして母親としても立派な人物だから」と尊敬の眼差しで「だからメリルの名前が読み上げられたときは、自分のことのように飛び上がって喜んでしまったわ」と健闘を称える。その一方で「大きな声では言えないけれど、元々シャイな性格なので『スピーチしなくて済んだ!』とホッと胸をなでおろしてしまった自分がいたわね」と無邪気な笑みを浮かべる。

会場で受賞の発表を聞くまでの時間の緊張は「とても他に比べられるものがないくらいに貴重な体験」というミシェル。本作を見ればわかる通り、彼女の女優としての才能にオスカー像が贈られるのは時間の問題だろう。シャイという性格、そして複数回のノミネートで受賞に至らないという部分では、5回目の候補で芥川賞を受賞した作家・田中慎弥氏を思い出させる。くしくも田中氏はシャーリー・マクレーンが映画『愛と追憶の日々』で第56回アカデミー賞主演女優賞を受賞した際の「私がもらって当然だと思う」というコメントを受賞者会見時に拝借し、話題を呼んだ。そのエピソードをミシェルに教えると「ワオ!そうね、私も次に受賞したとき、そのスピーチを真似させてもらおうかしら!」とノリノリだった。


映画『マリリン 7日間の恋』は3月24日より、角川シネマ有楽町ほかにて全国公開

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