SC11はスパコン関係で最大の学会であり、今年は、論文発表などを聞くテクニカルプログラムに5000人近い参加者があった。SCでは、色々な発表が行われるが、11月15日からの本会議はNVIDIAの創立者でCEOのJen-Hsun Huang氏の基調講演で幕を開けた。

基調講演を行うJen-Hsun Huang氏

ビジネスの基本原理として、顧客や投資家が付かないと企業は成り立たない。そして小さな市場では大きな会社の成長を支えられない。この中で、NVIDIAはゲーム用のグラフィックスという市場を見つけて顧客を得て、当初は小さな市場から市場を拡大してきた。そして、現在ではCUDAが動くGPUが3億5000万個以上市場に出ており、CUDAでアクティブに開発を行っている開発者が12万人以上になっているという。

エクサスケールのスパコンは、現在のCPUの延長で行くと、20MWの電力で実現できるのは2035年ころになってしまう。一方、電力効率の高いGPUでやれば2019年ころに実現でき、2035年には20MWで100EFlopsを実現できるというロードマップを同氏は示した。

エクサスケールへのロードマップ

そして、市場としては年間4億台のPC市場、年間10億台の携帯電話市場がGPUのビジネスを支えており、この巨大な市場があることからGPUの開発を継続できると述べた。

1997年にTFlopsのスパコンが登場したが、このロードマップに従うと2019年にはTFlopsは5Wで実現でき、携帯電話やタブレットにTFlopsクラスのGPUが入ることになる。

1997年のTFlopsスパコンは2019年にはスマホやタブレットに入る(左)。そうすると、右の絵のようなリアルな動画がリアルタイムに表示できるようになる

また、2004年~2006年に登場した数10~数100TFlopsのスパコンは、2019年には100Wでできることになり、ゲームコンソールで使えるようになる。そして、それは単なる3Dの動画だけでなく、物理シミュレーションも同時に実現できるようになることを意味すると述べ、NVIDIAにとっての「スーパー」コンピューティングはいわゆるスパコンだけの話ではなく、スーパーフォーンやタブレットからゲームコンソール、PC、ワークステーションとすべての領域にまたがっているというイメージを示した。

NVIDIAの「スーパー」コンピューティングのイメージ

なお、当然のことであるが、市場規模の大きいローエンド市場での優位性を確保するために、ハイエンドで先端技術開発を行い、大きなグラフィックス市場での売り上げで開発費を賄うというのが同社の戦略の根幹である。