【レポート】
青森県の三沢~十和田市間を結ぶ十和田観光電鉄は、16~18日の3日間、「とうてつ電車まつり2011年夏」を開催した。期間中は七百車両区で撮影会が行われたほか、旧型電車と貨物列車の臨時運転も実施された。
東日本大震災の被害は少なかった同社だが、現在も厳しい経営をしいられている。今年5月には、乗客の減少にともない土休日を中心に列車が減便された。
そんな中、4月末に東北新幹線が全線運転再開したのをきっかけに、沿線住民のみならず全国の鉄道ファン、青森への旅行者にも十鉄を利用してもらうべく、今回のイベントを企画。全線乗り降り自由の1日乗車券「よりみちきっぷ」も発売された。
7月17日の車両撮影会では、この「よりみちきっぷ」を購入することで撮影会への参加が可能に。青い森鉄道と接続する三沢駅では、朝から1日乗車券を買い求める利用者の長い列ができていた。
七百車両区で展示されたのは、旧型電車のモハ3401とモハ3603、凸型電気機関車のED301とED402、同社オリジナルの貨車、トラ301とトラ302など。
モハ3401は1955(昭和30)年に自社発注で製造された車両で、釣り掛け式であることに加え、バス窓の車体に十鉄カラーで彩られた車体が人気に。
モハ3603も釣り掛け式で、1942(昭和17)年に東急の車両として製造され、かつての東急目蒲線(現在の東急目黒線と東急多摩川線)でも活躍していた。1989年に十鉄が購入し、2002年の引退直前、東急時代と同じグリーン1色に復元されている。
参加者はこれらの車両を、車体の隅々まで熱心に写真に収めていた。途中、七百駅に定期列車が到着したときも、参加者たちはいっせいにカメラを向け、定期列車が被写体の"ミニ撮影会"と化す一幕もあった。
撮影会の後には、貨車2両の前後にED301とED402が連結された貨物列車が入線してきた。十鉄は1986年10月まで貨物輸送も行っており、最盛期には年間10万トンもの貨物を扱ったという。当時を彷彿とさせる貨物列車の姿に、貨車や機関車の内部まで凝視し、写真に収める参加者も多かった。
「とうてつ電車まつり2011年夏」では、この他にもモハ3401とモハ3603による急行電車のリバイバル運転や、モハ3401に貨車と電気機関車を連結した"おもしろ列車"の運転も行われ、多くの鉄道ファンを魅了していた。
東日本大震災の発生以来、東北の私鉄は各社とも予断を許さない状況が続いている。十鉄も例外ではないが、これからも今回のようなイベントを通じ、東北の私鉄の"がんばっている姿"を全国に示してほしいところだ。
なお、十鉄全線乗り放題の1日乗車券「よりみちきっぷ」は、10月10日までの土休日で利用可能。価格は大人1,000円、小児500円となっている。
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