Classic Explorer機能をチェックする

最後にClassic Shellの機能として用意されたClassic Explorerに関する機能を紹介します。バージョン1.9.6での注目ポイントは二つ。一つめはアドレスバーに並び、一つ上のフォルダへ移動できる<1つ上のフォルダへ>ボタン。

Windows 7のエクスプローラでは使用するショートカットキーによって一つ上のフォルダではなく、直前に開いていたフォルダへ移動するため、同ボタンを用いることでフォルダの直感的な移動が可能になります(図40)。

図40 エクスプローラのアドレスバーに加わる<1つ上のフォルダへ>ボタン。親フォルダへの移動がしやすくなります

もう一つはファイルコピー時の確認ダイアログ。Windows 7ユーザーには改めて述べるまでもなく、改悪とも言える変更点の一つです。確かにファイルのプロパティ情報が表示され、アクションもわかりやすくなりましたが、ショートカットキーが割り当てられていないため、いちいちマウス操作を併用しなければなりません。

Classic Explorerでは、この確認ダイアログを以前のダイアログに戻し、上書き操作に関しては<はい><いいえ>ボタン(それぞれ[Alt]+[Y]、[Alt]+[N]キーが使用可能)で操作可能になります。また、<その他>をクリックするとWindows 7標準の確認ダイアログに切り替わりますので、ファイルのプロパティ情報を確認するときに併用しましょう(図41)。

図41 確認ダイアログも旧来のダイアログに変化します。

ファイルのプロパティ情報を確認するときは<その他>をクリックしてください

Classic Explorerの設定ダイアログはおおむね初期状態で問題ありませんが、常にClassic Explorer Barを有効にする場合は「ツールバーボタン」セクションで、不要なアイテムをあらかじめ取り除いてください。そもそもクラシックなスタイルを望むユーザーであれば、<切り取り>や<コピー>といったボタンに頼った操作を行なう方は少ないはず。筆者が常用するコンピュータでは<ひとつ上の階層><設定>以外のボタンは無効にしています(図42~44)。

図42 [Alt]キーを押してメニューバーを表示させてから、同箇所を右クリックします。メニューから<Classic Explorer Bar>をクリックしてください

図43 Classic Explorer Barが表示されたら、一番右側にあるボタンをクリックしてください

図44 これでClassic Explorerに関する設定ダイアログが起動します

もう一つチェックしておきたいのが「ナビゲーションペインのカスタマイズ」セクションにあるドロップダウンリスト。エクスプローラのナビゲーションウィンドウスタイルをカスタマイズするもので、各カテゴリを展開するアイコンが昔のWindows OS風に変化します。UI的な変化は生じませんが、見た目にこだわりたい方は同セクションのカスタマイズにもチャレンジしてみましょう(図45)。

「Windows Vista」

「Windows XP Classic」

「Windows XP Simple」

以上でClassic Shellに対する主な解説を終えますが、そもそも新しいUIデザインへ進化するためにMicrosoftが削った機能は、残念ながらユーザー視点が欠けていたと言われても致し方ないかもしれません。

Windows XPやWindows VistaユーザーがWindows 7に移行する際、最初に違和感を覚える箇所を、上手に埋めてくれるClassic Shellは、Windows 7を“手になじんだ道具”として使いこなしたいユーザーに試して欲しい有益なツールです。

阿久津良和(Cactus