雑誌+DESIGNING、雑誌Web Designing、マイコミジャーナルの3媒体が、様々なジャンルのクリエイターたちを100人連続で紹介していく新企画。第24回は、ジャンルにとらわれない幅広い分野のアートディレクションで活躍するアートディレクター・岩城晴男が登場。

岩城晴男プロフィール

1975年大阪生まれ。独学で絵画、彫刻、グラフィックデザインを学ぶ。現在はデザインプロダクションの株式会社深水社に在籍し、グラフィックのみならず、プロダクトや空間など幅広い分野のデザインワークを手がけている。

Q&A

――この仕事に就こうと思った年齢ときっかけは?

岩城晴男(以下、岩城)「いつの頃からとかわかんないんですが、いつの間にかこんな仕事をしていて。ある意味、自分の生まれた理由だとか使命だとか思っちゃってます。きっかけも特になくて、自然に。なるべくしてなった、みたいな」

――これまでで一番思い入れのある仕事は?その理由や思い出を教えてください。

岩城「世界中いろんなプロジェクトで行ったり来たりしていて、毎回、国や場所によって仕事内容が変わっちゃうので、それによってスタッフも関係者もかわるので、毎回思い入れがあるんですよね。どれか一番ってのはなかなか言えないような。この記事読んで今進んでるプロジェクトの世界中の関係者に読まれると悪いですし。言うなれば、どれも最高です! 関係者のみなさんにいつも心から感謝! 毎回死にそうになってますが……。ね? ヒロコさん! 」

――この仕事を辞めようと思ったことはありますか?また、そのきっかけは何ですか?

岩城「辞めようと思ったことはないですね。これが自分の生きる道ですから。他に道がないっていうか、これしかない、そんな感じで。僕が創るものは僕にしか創れないと思っているので、生まれ変わってもまたこの仕事をしたいで」

――これから取り組んでみたいこと、関わってみたい仕事は何ですか?

岩城「大きな意味でのアートディレクションをしたいんですよね。本物の『アート』の『ディレクション』。例えば、ホテルとか空港とか、公共施設でもいいし、家でも店舗でも。そういう空間に、ここにこのアーティストの作品飾って、建築家はこの人にお願いして、内装はこのデザイナーにお願いしてみたいな、沢山のいいクリエーターと一緒に仕事をする、ぜーんぶの『アート』と名のつく『ディレクション』をしたい。それと道路とか橋とかダムとかそういう大きな夢のあるデザインもしたい。その逆に、小さな物、爪楊枝とか、消しゴムとか宝石とかそういう小さなものでも何でもデザインしたい、作りたい。とにかく好き放題僕の才能を『爆発』させてくれるクライアントさんに出逢いたいです。いい仕事しますよー」


――愛用している、思い入れのある道具や本、ものを教えてください。

岩城「残念ながらそういうもの、ないんですよね。面白くない人間なんですが、どこ行ってもその場その場で対応してしまうので、あるものでなんとかするってことが身に付いちゃって。原始人みたいですね。そう考えると、僕の写真も原始人に見えてきますね」


――尊敬している人を教えてください。
岩城「ほんと尊敬している方は沢山いるんですが、まずはお父さんとお母さん。で、兄弟。プラス愛する友達たち。出逢ったみなさんをほんといつも尊敬しています。Kさん、君のことも尊敬してるよ!」

――アイデアを練る場所、時間などを教えてください。

岩城「ほんといろんな国に行ったりして出張が多いので、決まった場所はないんですが、いつでもどこでもいろんなこと考えています。でも、強いて言えば、あんまり最近は帰って来れないんですが、大阪の萱島っていう自分の町ですかね。自分の町を心から愛してます」

――1カ月で仕事をしない日は何日ありますか?

岩城「あんまりないですね。もちろん作業をしない日もあるんですが、身体を動かしてなくても、何か考えてたり。仕事が自分にとっては趣味なので」

――理想的なオフの過ごし方は?

岩城「自分の町へ帰って寝る。とにかく寝る。冬眠する熊のように。でも、温泉とか行きたいかも」

――趣味やコレクションなど、いま、個人的にハマっていることを教えてください。

岩城「ほんと仕事が趣味みたいな感じなので、特に趣味とかはないんですよね。あー、ほんとつまらん人間だ。個人的にハマってることもないですし。基本、物欲もあんまりなくて、美味しいものを食べたいってのも残念ながらあんまりないんです。服とか靴とか、ボーロボロでも着てたりするので。でも、仕事欲とか創造欲? みたいなものは人一倍あるかも。スイマセン、面白くなくて」

――お酒を飲みますか?週何日、どのくらいの量を飲みますか?

岩城「この記事を読んだ知り合いとかに『うそだー!』とか言われそうですが、ほんとはそう好きではないんですよね、逆に疲れちゃうので。でも、飲むときはめちゃくちゃ飲みます。飲むのも仕事の一部ってときもあるので、そういうときは毎日。もの、すごく、飲みます」

――同業でよく飲みにいく、食事をする人は誰ですか?

岩城「国や場所によってスタッフや関係者が変わるので、その時その時ですね。いろんな国に行きますが、ありがたいことに、どこに行ってもそういう大切な仲間がいます(みんな名前言ってあげられなくてゴメンネ! みんないつもありがとうございます!)。AKIOさん、こんな感じでいいですかね?」

作品紹介

左:アパレルブランド「ggspoon*」ポスター
CL:パル/AD+D:岩城晴男
右:深水社ギャラリーポスター
CL:深水社 /AD+D:岩城晴男