データセンターのすべての分野での適用を狙うIntelの取り組み

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データセンターのすべての分野での適用を狙うIntelの取り組み

小林行雄  [2010/05/25]

Intelは5月25日、都内で会見を開き、次世代のデータセンターに対する同社の考え方や取り組み、同分野向けCPUの現状などの説明を行った。

Intelの副社長兼データセンター事業部長のカーク・スカウゲン(Kirk B.Skaugen)氏

説明を行ったのは、Intelの副社長兼データセンター事業部長のカーク・スカウゲン(Kirk B.Skaugen)氏。同氏は、複雑化するクラウド環境と、増大するデータトラフィックに対応するためのインフラストラクチャの条件として、「効率的」「簡素化」「セキュリティ」「オープン」の4つのテーマを掲げ、それぞれに対するIntelとしての取り組みを述べた。

まずは効率的についてだが、2009年3月に同社はNehalemアーキテクチャを採用した初めてのサーバ/ワークステーション向けCPU「Xeon 5500番台(Nehalem EP)」を発表した。同氏は、Xeon 5500番台について「高い電力効率と性能による短期間での投資回収を実現し、結果として230のOEMソリューションが1年間で提供され、2009年第4四半期のXeonプロセッサの出荷比率の90%がXeon 5500番台で占められた」とし、それを「Nehalem効果」と表現する。

Nehalemアーキテクチャ採用CPU「Xeon 5500番台」の登場によって生じた「Nehalem効果」はサーバ市場に大きな変革を生んだと同社は説明する

Nehalemアーキテクチャをベースとしたサーバ/ワークステーション向けCPUは、Xeon 5500番台に続き2009年9月にエントリサーバ向け「Xeon 3400番台」が発表。その後、2010年に入り「Xeon 5600番台」「Xeon 7500番台」が発表されたほか、「Xeon C5500/C3500(Jasper Forest)」といったストレージやスイッチの利用に最適化された製品も登場するなど、適用領域を拡大している。また、ミッションクリティカル分野向けに「Itanium 9300番台」、超低消費電力サーバとしても活用が進められている「Atom」も含むと、データセンター向けのラインナップとして相当広範囲な分野をカバーすることとなっている。

Intelのデータセンター向け製品のラインナップ

中でもXeon 5600番台について同氏は、「市場の1/3はまだ1コアプロセッサを用いていると言われている。これをXeon 5600番台に置き換えることで、パフォーマンスを最大15倍に向上できるほか、効率を重視すれば、冷却コストなども含めた電力コストを最大で年間95%削減することが可能となる」とする。

Xeon 5600番台の300mmウェハを持つkirk氏

Xeon 5600番台は同士がNehalem効果とうたったXeon 5500番台の後継であり、その勢いをそのまま持ち込むことが可能だが、Intelはより上位のXeon 7500番台にもNehalem効果を波及させようとしている。「Xeon 7500番台はXeon史上、もっともパフォーマンスを向上させることに成功し、ミッションクリティカルな基幹業務分野の業務でも活用することが可能となった製品であり、同分野に変革をもたらす原動力になる」(同)と、これまでItaniumが主軸となっていた基幹業務をXeonでも対応できることを強調する。

基幹業務系でも活用が可能となったXeon 7500番台

その基幹業務向けに新たに登場したItanium 9300番台は同社の第7世代ItaniumプロセッサとなるCPU。2009年におけるサーバシステムの出荷金額は全体で約450億ドル。その内、RISCサーバやメインフレームは出荷数は全体の5%ながら、金額は160億ドルを占める領域であり、「この分野はIntelとしても成長できる分野であり、Itaniumによる置き換えが狙える」とする。気になるのはXeon 7500番台とItanium 9300番台の住み分けだが、同氏は、「確かに昔はItaniumが上、Xeonが下という分け方だった。しかし今は、ItaniumもXeonも横並びの存在となった。使用するOSや環境に応じてカスタマがどちらがより活用できるのか、選択することが可能となった」と述べるに留めた。

Itaniumにとって、RISC/メインフレーム市場は十分大きな市場であるという認識

右手に持っているのがItanium 9300番台、左手に持っているのがXeon 7500番台。従来はItaniumが上でXeonが下の関係だったのが、今はこのように横並びの関係へと変化したことが強調された

続いての簡素化だが、同社が狙うのはデータセンターのすべてに同社のテクノロジーが入り込むことだ。そのための1つがXeon C5500/C3500の存在だが、それ以外にも例えばソフトウェアであるインテル インテリジェント・パワー・ノード・マネージャーとインテル データセンター・マネージャー(インテル DCM)によるサーバ、ラック、データセンターという単位での電力管理の実現や、1Gbpsのイーサネットネットワークから10Gbpsイーサネットワーク(10GbE)への移行推進やiSCSIやファイバチャネル(FC)などのマルチプロトコルサポートなどが挙げられる。

ネットワーク上で扱うデータ量が増えれば、その分、ストレージ容量も増大するのは当然。現状のストレージ製品の70%にXeonが活用されており、これを2011年末までに80%に引き上げるのが1つの目標となっているという

そしてセキュリティだが、こちらはIntel Trusted Execution Technology(Intel TXT)やIntel Virtualization Technology(VT)などが従来から存在していたが、2010年4月に発表された第4世代vProではAES(Advanced Encryption Standard)向けの新しい命令セットであるIntel AES-NIが新たに追加されている。こうした暗号化は、従来相当の処理性能が必要とされていたが、こうした機能に対応したCPUはもとよりそれだけの処理をしても負荷がそれほどかからないだけの性能を有しており、「Intelは、ネットワークに流れるすべてのデータを暗号化したいと考えている」(同)と、より高いセキュリティの構築を目指すとする。

従来からのIntel TXT、Intel VTに加え、AES-NIの活用により、暗号化のパフォーマンスが向上。より高いレベルのセキュリティを実現することが可能となる

オープンについては、x86アーキテクチャの存在そのものがソリューションの互換性を確保したものであり、それが多くのOEMが多くのソリューションを生み出すに至っていることを考えれば言わずもがなであろう。

なお、今後、同社ではプラットフォームとしてのデータセンターという考え方を推し進めることで、データセンターのすべてに同社のテクノロジーを浸透させていくことに注力するとしている。

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