ゲームあり、リスニングありの"「超字幕」メソッド"

「超字幕 NASA50年 宇宙開発の光と影 1」

「マトリックス」や「ハリー・ポッター」シリーズといったエンターテインメントの粋を尽くした映画作品に加え、世界175カ国で配信されている世界最大のドキュメンタリー専門番組「ディスカバリーチャンネル」のコンテンツを用いて、楽しみながら英語学習が可能な「超字幕」シリーズ。現在では100タイトルを超え、続々と新しい趣向を凝らしたものがラインナップされている。

筆者は、自分で言うのもはばかられるほど英語が苦手だ。というのも、小学生の頃から洋楽を聴き漁っていたのでリスニングには自信があるのだが、英単語のスペルを記憶し、記述する能力が著しく乏しく、毎度毎度試験のたびに赤点スレスレだったのを今でも覚えている。そんな筆者ではあるが、昨今の時勢を鑑みると文筆業とはいえビジネスで成功を収めるためには英語能力の向上無くして明日はない!とまで思ってもいる。

そんな折りにお声掛かったのが、「超字幕 NASA50年 宇宙開発の光と影 1」のレビューの依頼だ。これは、またとないチャンス。仕事の域を超えて、本気で「超字幕」を味わい尽くしてみようと心に決めた。

新たな英語学習のスタイルと言えるのでは!

インストールが完了し「超字幕」を起動させるとスタートパネルが表示される。NASAの50年と英語のコラボレーション。人類が"宇宙"へと飛び出していく進化と、自分が英語を通して"世界"へ飛び出していく希望がコラボしているように感じてしまうスタート画面。

インストールが完了し「超字幕」を起動させるとスタートパネルが表示される

ワクワクしながら「スタート」をクリック。ドキュメンタリー映像ならではの"生な感じの英会話"を聴きつつ、画面右に表示される日英字幕を確認しながら内容を理解していく。さらには、0.6から2.0倍に再生速度を可変することが可能なうえに、台詞単位で簡単にリピートする機能も。また、語彙数46万語が収録された英和辞書「リーダーズ+プラス」によって英単語の意味をより深く理解することができる環境が用意されている。勉強の基本は「身体に馴染むまで書いて覚える」だと考えてはいるが、英語のリスニング能力向上のためには、「超字幕」で実現している学習スタイルが新たなスタンダードになるのかも知れないと感じた。

ディスカバリーチャンネルのコンテンツがそのまま英語教材に

ドキュメンタリー特有の生の英会話が学べるのは面白い試みだ

再生速度も自分でコントロールできるのは便利。倍速再生して速聴のように試すのも面白い。

ひとつのシーンを繰り返し再生するリピート機能

「リーダーズ+プラス」英和辞書によって単語の意味を調べることも可能なのは、学習する者にとってうれしい機能

ゲーム感覚で英語を学べるスペシャルメニューがマル!

「超字幕」のユニークなポイントは、単に映像と字幕だけの組み合わせにあらず。タイトルによって収録されているプログラムが異なるが、ゲーム感覚で学習できる「スペシャルメニュー」は非常にユニークだ。「超字幕 NASA50年 宇宙開発の光と影 1」には「超連続リスニング」という、制限時間が設けられた超高速リスニングゲームが収録されており、本編に収録されていたシーンから質問が出題される。

早速筆者も体験してみたが……残念ながらまだまだ自分には英語力が足りないと実感。何度も何度も、繰り返し本編を観ながら単語を追うのではなくワンフレーズの台詞を記憶野に刷り込んでいく。簡単リピート機能や、気になる台詞をスクラップしておくことができるお気に入り字幕機能を活用すれば、飛躍的に英語力をつけられるだろうと感じた。

スタートパネルにある「スペシャルメニュー」には、タイトルによっていくつかの学習プログラムが用意されており、「超字幕 NASA50年 宇宙開発の光と影 1」では「超連続リスニング」が収録されている

あれ?あれれ?このフレーズ、確かに覚えていたのに!と、ゲーム感覚でリスニング能力を向上させてくれる。が、筆者は……まだまだ勉強が必要なようだ

ゲームの結果は惨憺たるものだったけれども、自分の興味のある映画やドキュメンタリー番組で"リアルな英語"を学べるというのは面白い。映像+日英字幕がワンセットになった"「超字幕」メソッド"は、教科書で学ぶ以上に学習意欲向上に繋がるのを実感した。NASAの当時のスタッフの言葉、ジョン・F・ケネディ大統領の言葉などは、宇宙大好きな筆者には忘れられない言葉であり、好きだからこそ頭にスッと馴染んでいく感覚が心地よく病み付きになってしまった。

人類を月に送り込む壮大な計画を打ち立てたジョン・F・ケネディ大統領。歴史を学びつつ英語学習もできるのは、英語よりも歴史が好きな筆者には興味を惹く内容だった

今後のさらなるタイトル増強が楽しみに!

「超字幕」シリーズは昨年に引き続き様々なタイトルのコンテンツを提供してくれる。OSはWindows7、Windows Vista、Windows XPに対応しており、DVDやUSBメモリ、ダウンロードといった多様な形式でのデリバリーを行っている。そして何より魅力なのは、充実した学習機能を兼ね備えていながらも低価格であること。高価な英語学習教材が多い中で、3,490円から1,980円という価格は非常に魅力的だ。キャンペーン展開も多く、シリーズのポータルサイト"超字幕.com"では、タイトルの一覧や難易度、総語数から映画の特徴まで充実したコンテンツを誇る。

また、2月より「超字幕」シリーズを一括管理することが可能な「超字幕ライブラリー」機能がソフトウェアアップデートによって配信される。自分のPCにインストールしてあるタイトルを並べて表示する、ソフトの英語レベルや本編の収録時間、学習した回数(プレイ回数)や時間を管理する、リスニング問題の進捗状況の俯瞰的な把握が可能になる。複数本数「超字幕」タイトルを所有するユーザーにとって待ち望んでいた機能と言えるだろう。

複数タイトルの管理が非情に便利になった「超字幕ライブラリー」

教科書だけでは学び尽くせない"リアルな英語"。その学習をより身近なものにした「超字幕」シリーズの今後に期待するとともに、将来的にはジャン・レノの演技が光る「レオン」や痛快なカーアクションが魅力の「TAXi」といった作品でフランス語や、ジャッキー・チェン、リー・リンチェイ主演作で中国語というように、多言語が学べるようになることを切に望みたい。そのくらい"「超字幕」メソッド"は学ぶ意欲をくすぐってくれる。まずは、英語の習得ではあるが。

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