アイ・オー・データ機器からPC向け液晶ディスプレイ「LCD-DTV222XBR」が発売された。21.6型ながらフルHD解像度(1,920×1,080ドット)に対応し、地デジチューナーまで内蔵しているのが大きな特徴。サラウンド感のある高音質なスピーカーと、直販価格で69,800円というコストパフォーマンスのよさも魅力的だ。

主な仕様  [パネルタイプ] 21.6型ワイド液晶  [最大解像度] 1,920×1,080ドット  [最大輝度] 300カンデラ  [応答速度] 5ms  [インタフェース] HDCP対応DVI-D、HDMI×2、D5、Sビデオ、コンポジットビデオ、地上デジタルTVアンテナ、音声入力端子(ステレオミニジャック)ほか  [スピーカー] 2.5W+2.5W  [サイズ/重量] 約W522×D215×H411mm/約6.6kg  [直販価格] 69,800円

単体で地デジ視聴が可能なフルHDディスプレイ

つい先日発表された総務省の報告では、2008年9月時点での地デジ世帯普及率は46.9%とのこと。いまだに半数以上の世帯で地上アナログ放送が視聴されているという計算になる。これは言い換えれば、地デジ対応TVにとって、まだまだ大きな市場が存在するということでもある。

地デジの普及がスローペースなのはさまざまな要因が考えられるが、これまでの液晶テレビの商品ラインナップが比較的大型&高額なモデルに偏りがちだったことも一因だろう。しかし、ここ最近になって比較的小型のモデルやPCディスプレイと兼用できる多機能モデルが相次いで商品化され、幅広いユーザー層から注目を集めている。

アイ・オー・データ機器から発売された「LCD-DTV222XBR」もそのひとつ。基本はPCディスプレイながら、地上デジタル放送チューナーを内蔵し、インタフェースとしてHDMIやD5、Sビデオ端子などを搭載。チャンネル切り替えなどに対応した専用リモコンも付属しており、液晶テレビとしても利用できる。画面サイズはPCディスプレイとしてはごく平均的な21.6型ワイドだが、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)に対応しており、地デジの映像をリサイズすることなくそのまま表示できるのが特徴になっている。

本体左側面には、B-CASカードスロットが搭載されている

本体右側面には、音量ボタンやチャンネルボタン、入力切り替えボタンなどが搭載されている

地デジのフルHD映像を満喫できる

本機は、1,920×1,080ドットというアスペクト比が16:9の液晶パネルを搭載している。視野角は上下方向が160°と若干狭くなっているが、一般的な使い方ならば画面の角度を変えたときの色の変移もあまり目立たず十分見やすい。また、パネル表面はノングレア処理が施されており、照明などの映り込みはまったく気にならないレベルだ。

LCD-DTV222XBRの設定画面。映像設定では、輝度やコントラスト、シャープネスなどを調節することができる

音声設定画面。サラウンドをオンにすると、臨場感あふれるサウンドが楽しめる

節電モードやブロックノイズ除去なども設定できる

地デジのデータ放送には対応していないが、番組情報や字幕放送などには対応している

色再現性はPCディスプレイとしては実用十分。グラデーションも滑らかで、トーンジャンプなどが気になることもなかった。デフォルト状態での色味は比較的ニュートラルで、彩度を強調する傾向にある薄型テレビと比べると少しあざやかさがものたりなく感じる人もいるだろう。しかし、PCのディスプレイとしてはこちらの方が疲れにくい印象だ。ちなみに、本機には「標準」「映画」「CG」「ナイト」の4種類の画面モードが搭載されており、映像ソースに合わせて画質を最適化することが可能。たとえば、ナイトを選ぶと色温度や輝度が自動補正され、部屋を暗くして鑑賞するのに最適な画質になる。「標準」の状態からそれほど大きく変わるわけではないが、リモコンでボタンを押すだけで手軽に変えられるので、用途に合わせて使い分けてみるといい。

画面モードが4種類用意されており、リモコンのボタンで簡単に切り替えられる。画面モードが変わると、数秒の間、画面右上に設定したモードが表示される

内蔵のテレビチューナーは、地デジのみに対応しており、BSなどは視聴できない。また、地デジのデータ放送も未対応となっている(字幕放送や電子番組表には対応している)。もっとも、機能が限られている分、使い勝手はよく、受信設定などの操作も分かりやすい。チャンネルや映像ソースの切り替えも速い方で、ボタンを押してから表示が完全に切り替わるまでは約2秒前後。リモコンでザッピングしていてもストレスはあまり感じなかった。

電子番組表の表示にも対応している。現在放送中の番組を表示させたり、週刊番組表を表示させたりできる

PCディスプレイとして使っている場合は、子画面で地デジ放送を表示させることも可能。その場合、子画面の位置はディスプレイの四隅のいずれか好きな場所に設定できる。親子同時表示した場合でもPC本体の負荷が高くなるわけではないので、ながら見も快適に楽しめるのがうれしい。なお、子画面には地デジ放送のほかにもD5、Sビデオ、コンポジットビデオなどのアナログ入力端子からの映像を表示させることも可能だ。

子画面はディスプレイの四隅に表示できる。これは、右上に表示させた例

このほか、ユニークな機能として「番組視聴予約」なども搭載されている。これは、見たい番組を電子番組表などで選んでおくと、時間がきたときにアラート通知してくれる機能。ディスプレイの電源がオフの場合でも自動でオンにできるため、番組の見忘れを防ぐことが可能だ。