さて、もう少し細かな内容はTechnical Sessionの方で説明されている。まず進展の方だが、2007年9月にUSB 3.0 Promotor Groupが結成されてから割に早いタイミングで動きが進んでおり、今では180以上の企業がこれに加盟している(Photo10)。また、USB 3.0のHost Controllerの仕様であるxHCIのRevision 0.9がIDF直前の8/13に公開されたことが明らかにされており、NDA契約が前提ではあるが、既にスペックが入手できることになる。これに続いて今年中にはRevision 0.95がリリースされる予定だ。「ではRevision 1.0は何時?」という話だが、これは結構先になるだろうと予測される。もっと正確に言えば、xHCIのRevisionが1.0に上がるのは、IntelのチップセットにxHCIコントローラが搭載されるタイミングである。

Photo10: ただし最初にメンバーが顔をあわせたのが今年の1月だから、ずいぶん早く仕様策定が進んだ、と言って良いだろう。

実はこれには先例がある。USB 2.0のEHCIについても、最終的にRevision 1.0が出たのはIntelのICH4にUSB 2.0のHost Controllerが搭載された2002年3月のことである。USB 2.0そのものはICH2の時代から広く利用されていたが、これはNECが2000年にリリースしたμPD720100をオンボードに搭載する形になっており、ICHに統合されていたわけではない。この時代、EHCIのRevisionはやはり0.95のままだった。この構図が、今回も繰り返されることになる。

ちょっとここで注意していただきたいのは、これはあくまでxHCIのSpecificationであって、USB 3.0のSpecificationではないことだ。USB 3.0のSpecificationはUSB I/Fが策定するが、xHCIはIntelの規格であり、従って仕様策定はIntelが行う形になる。このあたりがちょっとわかりにくい形だ。

ちなみに先のプレスリリースには、NECエレクトロニクスがUSB 3.0のxHCI互換のホストコントローラを開発する事が明記されており、実際USB 3.0のPDK(Peripheral Development Kit)に関してはNECにHost Controllerを提供してほしいという依頼がUSB-IFから来ているそうで、ここから察するに2010年のBoard Deploymentのタイミングでは(USB 2.0の時と同様に)マザーボード上にNECのUSB 3.0コントローラが搭載され、ここからUSB 3.0のポートが引き出される形になると想像される。