ゼロからはじめるInkscape - Illustratorライクな無料ドローツール

見栄えのいいアイコンを作ろう.2

つぎに、もう一度円をコピーして同じ位置に貼り付け、70%程度縮小してください。色は、先ほどの半円よりやや濃い色を選ぶといいでしょう。その後「オブジェクト」メニューの「フィル/ストローク」を選び、「Blur」を「20」程度にして円をぼかした後、下方向へずらします。ちなみに、ここで背景の色をやや暗めの赤に変更しました(図20)。このままではぼかした円がはみ出てしまいますので、形や大きさを変更して図21のように配置します。

つぎに、ハイライトを作りましょう。ベースの円をコピーして別の場所に貼り付けた後、105%に拡大します。もうひとつ同じ円を作ったら、後に作ったほうの円をやや上にずらしてください(図22)。この状態でふたつの円を選択してから「パス」メニューの「差分」を選ぶと、図23のような弓状のオブジェクトができます。白く塗りつぶしたら、ベースの円に重なるように配置してぼかします。その後、同じオブジェクトをコピーしてひっくり返し、ベースの上部に配置します。このとき、ベースの外周からやや離れた位置に置くといいでしょう。必要なら大きさも調整してください(図24)。

アイコン全体の影を作る方法も、基本的には同じです。ベースの円をコピーしてグレーで塗りつぶしたあと、最背面に移動してからぼかします。これで背景部分は完成しました(図25)。完成した背景は、いくつものオブジェクトで構成されています。こんなときは「グループ化」を行なっておくと便利です。選択ツールで背景用オブジェクトをまとめて範囲選択した後、「オブジェクト」メニューの「グループ化」を選んでください。これで、複数のオブジェクトをまとめて動かせるようになります。

つぎに、矢印を加工します。矢印のオブジェクトを最前面に移動した後、背景の中心に配置します。図25と同様の手順で矢印にも影をつければ、アイコンの完成です(図26)。オブジェクトとグラデーションの組み合わせしだいで様々な形状が作れるので、ぜひ試してみてください。