さてそのXMPについてだが、Corsairは当然ながら積極的にアピールしている。実際同社のDDR3 PC-1800 CL7のメモリを使った(Photo08)結果(Photo09,10)や、更に限界までオーバークロック(Photo11)した結果(Photo12)などを示し、XMPの優位性をアピールした。またIntelとの協調関係(Photo13)や今後の展開(Photo14)に触れるなど、このマーケットが立ち上がる事を確実視しているようだ。

Photo08:CPUをCore 2 Duo E6850に揃えてのテスト。ただし同じ3.6GHz動作といっても倍率が微妙に違っていることに注意。ちなみにプレゼンテーションにはTypoがあり、正しくはX38は450MHzの8倍、975Xが400MHzの9倍であろう。

Photo09:こちらはMemory帯域テスト。SandraはCPUの動作周波数が一定だから、メモリ帯域がそのままスコアに繋がる事になる。こうなると倍率を下げてFSBを上げた方が得策なのはまぁ当然だが、FSBを上げやすい(というか、上げたときにFSB:MSB=1:1に出来る)DDR3が有利、という事であろう。

Photo10:ただしゲーム性能で言うと、概ね5%前後といったところ。あとはこの5%の性能差がコストに見合うと判断できるかどうかが問題になる。

Photo11:DOMINATORが電圧を上げずに2.0Vのままで1900MHz動作が可能、というあたりがここでの一番のアピールポイントと言って良いだろう。

Photo12:ところがここまでやっても、ゲームでは殆ど性能差が無いというのがまた……。DOOM3で640×480なんていう、ビデオカードの負荷が無茶苦茶軽い時しか性能差が出ない(1280×1024では、ずっと差が小さくなる)あたりがこの手のアプローチの限界を示していると言っても良いだろう。

Photo13:いつからEPPが975Xのプラットフォーム上で動くようになったっけ? と素朴な疑問にとらわれるプレゼンテーション。いや動くことは動くと思うのだが、EPPを読み取って最適化するなんて設定行うマザーボードはどの位あるだろう? ところで"auto-tweaking"という言葉、冷静に考えるとちょっと恐ろしい。

Photo14:Mobile向けにSO-DIMM版XMPメモリが登場予定というのもなかなか怖いものがある。

こうした話は別にCorsairだけではない。こちらのレポートにCorsairのDDR3-1940のデモがあったが、MicronはDDR3-2000の動作デモを行っていた(Photo15,16)。恐ろしいのはこの2GHz動作、別にTechnology Demoという訳ではないこと。Crucialは新たにBallistiXという製品ブランドを立ち上げ(Photo17)、このブランドでこうしたオーバークロック動作製品を発売してゆくことを明らかにしている。実際今回デモしたものも、製品そのものだそうだ。

Photo15:"Crucial DDR3 modules"がミソ

Photo16:2GHz動作の証明。CL9で動作。

Photo17:ちなみに2GHz動作については、"MicronそのものはCommitしないが、Crusialがこれを保証する"という説明。ちなみにパッケージデザインはまた変わるかもしれないとの事だ。