DDR3 Status - Qimonda

ではIntel以外の動向はどうか? ということで、まずはテクニカルセッションからQimondaの状況を簡単にレポートする。Quimondaの場合、現在はDDR3-800/1066/1333の開発中、という状況である(Photo09)。ところがShowcase会場に行っても、そもそもDDR3の製品が全く展示されていない状況。何故? と聞くと「動作するエンジニアリングサンプルはあるが、ここには持ってきていない」との事。一応動作する800/1066に関してサンプルはあるらしいが、展示できるほどのレベルに達していないらしい。1333に至っては「非常に厳しい」という返事で、まだLabレベルな模様。ちなみにQimondaの製品は、低消費電力をウリにするという姿勢は以前から変わっていない。今回も発表のなかで、DDR2-677のSO-DIMMの動作状態をサーモグラフィーで撮影した結果を示し、低消費電力性をアピールしていた(Photo10)。ちなみにQimondaもまた、DDR3世代では1Gbit品が一番多くなるという見通しを立てており、このあたりはやはりプロセスの微細化の影響が大きいと思われる。ところで問題はDDR2→DDR3へのトランジッションだ。Photo12がQimondaの予測である。実線がConservativeな予測で、点線がAggressive(というか、Intelの主張に近い)な予測ということだが、Conservativeな予測だとDDR2の寿命は2010年よりも長そうに見える。

Photo09:とはいえ、最終的にはDDR3-1600以上を狙うという目標に変わりはないらしい。

Photo10:以前、同社(というか、今では親会社にあたるInfineon)のAMBを使ったFB-DIMMは、他社製品より消費電力が少ないという趣旨のプレゼンテーションを行った事がある。ただ、以前はInfineonのAMBが飛びぬけて消費電力が高かったわけでが…

Photo11:1Gbit品に続き、2Gbit品もかなり立ち上がる様子もわかる。ところでグラフの一番下のラインは4Gbit品だろうか?

Photo12:この図は、あくまでもPCマーケット向け製品のトランジションであろう。というのは、Embedded向けがここまで急速にDDR3に移行するとは思えないからだ。やっと最近はDDR2に対応した製品が少しづつ登場しつつあるが、まだDDRどころかSDRAMで十分というケースも少なくない。一部のハイエンド向け製品を除くと、2010年末の時点でもDDR2でニーズには十分応えられるというシナリオも考えられるわけで、従ってQimondaを初めとするメモリベンダーの全生産ラインナップを見ると、まだDDR2のニーズがそこそこは残ってるだろう、とも考えられる。

ただ最終的にこのあたりはCPUやチップセットの動向に依存するところが大きい。Intelが2009年以降に導入するNehalemコアがTop to Bottomまでカバーすることで、バリューモデルまでDDR3を使うようになり、同様にAMDもトップエンドからバリューまでSocket AM3対応に切り替わった場合、そうなるとDDR2を使う製品はVIAのC7位しか残されていない。こうなると、DDR2は急速にマーケットを減らさざるを得ない。こうしたケースでは、メモリベンダーのTop5社は生産をDDR3に集中させ、中小メモリベンダーがEmbedded向けにDDR2を生産するといった構図になってゆくであろう。もっともその場合でも、Mobile DDR/DDR2といった製品は引き続きTopベンダーは生産を続けるだろうから、DDR2が0%になるということは考えづらいのだが。

最後にちょっとだけ。QimondaといえばIDF Fall 2006でGDDR5をアナウンスしたが、これの進捗は? とShowcase会場で聞いても明確な答えが返ってこない。「今もやっている」とは言うのでキャンセルされたわけではないようだが、やはり仕様がちょっと野心的過ぎたのではないか、と思う。