【インタビュー】

『幸福のスイッチ』で幸せのスイッチオン! OL出身の映画監督・安田真奈インタビュー

2 初めて撮った劇場用映画『幸福のスイッチ』

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『幸福のスイッチ』制作秘話

――脚本取材のために、電器店でも働かれたとか。
「短期間、お手伝い程度ですが。展示会の時には浴衣を着て接客しましたよ(笑)」

――得るものは多かったですか?
「はい。お客さんの会話を聞いて、あ、これネタで使えるわっ!と(笑)。作品の中に出てきた電気製品のエピソードのほとんどはほんまにあったことなんです。高齢のお客さんのために、マッサージ椅子を隣の部屋に移動してあげるとか、ラジカセの使い方を何回も教えにいってあげるとか、田舎の電器店ではよくやってることなんですよ」

――地域に根付いたお店ならではのエピソードですよね
「量販店とは、商売のスタイルも客層も違いますからね。でも、都会の若い観客には、エピソードのほとんどがファンタジーだと思われることも。3年間取材して、実際の事例をベースに描いてるのに、やはり電器店って知られてないんやなぁって思いました」

――撮影中のエピソードを聞かせてください
「クランクインパーティーをしたんですけれど、有料にもかかわらず800人くらいの地元の方がいらっしゃいました。『我が街に映画が来た!』状態で。その歓迎ムードのまま、最後まで毎日のように差し入れや炊き出しをして下さって……。差し入れの中でも特にデコポンが美味しくて、今でもお取り寄せしちゃってるんですよ(笑)。本当に温かな土地柄、人たちに囲まれて作った作品なので、映画自体の温かい雰囲気に嘘はありません」

温かみのある田辺弁にも注目

――和歌山県田辺市を舞台に選んだのはどうしてですか?
「私が関西育ちやから、関西をベースにしたかったんですよ。普段着の関西の良さを見て欲しかった。ロケハンで田辺に行ったら、山の緑にみかんのオレンジ色が綺麗に映えていて、2月には梅林が美しいと聞いて。他の関西の地域とは少し違って、彩りと、日本の原風景的な古き良き感じ……っていうのかな? それで決めました。これが大阪の商店街だったりしたら、また全然違った作品になっていたでしょうね」

――劇場映画を初めて撮ってどうでしたか?
「自主映画と比べて、劇場映画は見て下さる人数が違いますから、寄せられる反響の数も全然違いますね。自主映画とは広がりが違う、そこに感動しました」

――感想は、主にどんな?
「3パターンありまして。1つめは中高年層で、沢田研二さん演じる父親像に感情移入して、子供との距離や、働く辛さに共感されるパターン。2つめは若い層で、上野樹里さん演じる主人公に自身を重ねて、『久しぶりに実家に帰りたくなった』『前向きに働きたい』などと、家族や仕事を見つめ直されるパターン。3つめは商売をやってる方で、『商売の厳しさとは……』と熱く共感されるパターン。ロマンスもパニックもない日常ドラマですが、多くの方に"共感"してもらえて嬉しいです」

ワガママで僻みっぽい怜(上野樹里)と、お客の都合に合わせ過ぎてしまうお人よしの誠一郎(沢田研二)父子のやり取りに、観た人から三者三様の感想が届く

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インデックス

目次
(1) OLから映画監督への転身
(2) 初めて撮った劇場用映画『幸福のスイッチ』
(3) 見た人みんなに"幸せのスイッチ"が入るかも?

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