現在は絶対使ってはいけない言葉が入っているため表舞台から消えてしまったが、その昔日本には「クレイジーにナイフ」のようなことわざがあった。同義としては「三歳児に生卵」「俺にルマンド」などがある。
使い方を間違えなければ良いが、持たせる相手を間違うと大変なことになるという意味だ。
現在ナイフポジの代表格といえば「スマホ」ではないだろうか、これを与えられたクレイジーポジたちは、1日中スマホをいじって仕事にならないわ、周囲とのコミュニケーションは断絶するわ、課金で金がなくなるわで大変なことになってしまっている。
機能が制限された「キッズ携帯」はキッズだけではなく、周りに迷惑をかけすぎてスマホを取り上げられたクレイジーが最低限の連絡手段として持たされる用にも使われているらしい。
各キャリアは、キッズや老向けだけではなくスマホ依存症者向けに機能が制限された「クレイジー携帯」を出してみてはどうだろうか、意外と需要がある気がする。
ではスマホやネットが現れる以前のナイフポジはなんだったかというと、個人的には「クレカ」ではないかと思う。
クレカは大変便利だが「持ってない金が使えてしまう」特性上、クレイジーが持つと大変なことになりがちだ。
そうなるぐらいなら、カードを颯爽と出すより、コンビニのレジで小銭入れから最後の1円がなかなか取れず、緊張から指がプルプルして余計取れないという芋仕草をする方がまだクールである。
ただ、用途さえ間違えなければ、確実に現金よりクレカを使った方が便利であり得である。何故ならクレカを使用すれば、ほぼ必ずなんらかの「ポイント」がつくからだ。
広がる「ポイ活」、暮らしの中でどれだけ“稼ぐ”か
「ポイ活」を知っているだろうか、断捨離をカジュアルに言おうとして全然流行らなかった言葉ではなく「ポイント活動」で、クレカ使用などで貯まるポイントを集めて日々を得に過ごそうという活動である。
ただ結論からいうと、「ポイントを集めるためだけの活動」は不毛だという。ポイントを目的にいらない物を買ったら結局損だし、数円分のポイントを集めるために時間を使うぐらいなら、最低賃金でも働くほうが断然効率が良いからである。
重要なのは、日々の活動でどれだけポイントを稼げるかだ。
私も路上で土とかを食って暮らせれば良いのだが、そういうわけにはいかない。人間の健康で文化的な生活のためには必ず支払わなければいけない必要経費があり、それらを払うときポイントが貯まるように設定していれば、月々それなりにポイントが貯まる。
ポイント活動家の間では、スマホやネット、買い物などを楽天で統一し、さらにそれを楽天カードで支払いポイントを稼ぐ「楽天経済圏」が有名だ。
さらに日本は近年急速にキャッシュレス化が進んだため、ますますポイントは重要になり、ポイントを意識するかしないかで、大きな差が生まれるようになってきた。
そんな中新しいポイ活が登場し、注目を集めている。それは「移動」でポイントを集めるポイ活だ。
「移動」でポイ活できるアプリVS不動のひきこもり
移動距離により「マイル」というポイントが貯まり、マイルに応じて品物やギフト券などと交換ができるシリコンバレー発のウォーキングアプリ「Miles」がヒットし、先日日本にも上陸したそうだ。
私もさっそくダウンロードしてみたが、ウォーキングアプリと銘打ちながら、車や電車、果ては飛行機でもいいのがさすが自由の国らしい。すぐに「カロリー消費を伴わない移動にくれてやるポイントはねえ」と言い出しそうな日本製特有のセコさがない。
ただ、一番ポイント効率が良い移動手段は徒歩だそうだ。
ダウンロードしてみたはいいが、これ以上私にMilesについていうことはない。何故ならこのアプリは世界一ひきこもりに関係ないアプリだからだ。
私はひきこもりだが、毎日ウォーキングマシンで1時間は歩くため、運動がてらポイントを貯められるのでは、と一瞬思ったが、Milesは歩数計のように歩いた振動で移動距離を出すのではなく、スマホの位置情報を元にリアル移動距離からポイントを付与するので、ウォーキングマシンでいくら歩こうが、距離は1ミリも進んでいないためポイントはつかないのだ。
ちなみにMilesは日本が初の海外進出だという。最近Twitterくんにさえ無視されつつある日本に何故目をつけたかというと、日本はポイントを貯める習慣がある国だから、だそうだ。
確かに数円のポイントで一喜一憂するラテン系は想像がつかないので、こういう歩くついでに少しでも得したい、という発想は日本向けかもしれない。
だが忘れてもらっては困るのが日本は「HIKIKOMORI」発祥の地だということである。何度も言うがひきこもりにとってMilesは全く無用のアプリだ。
日本はポイ活の国なのか、それともHIKIKOMORIの国なのか、移動系ポイ活が流行るか否かで雌雄が決するといっても良い。
私は当然HIKIKOMORI陣営だ。