きょう3日にスタートするドラマ『ロンダリング』(カンテレ 毎週木曜24:15~/フジテレビ 同26:15~ ※FOD先行配信)。“死者の声が聞こえる”という役に立たない特殊能力を持つ男・緋山鋭介(藤原丈一郎)がアルバイトすることになる不動産会社の社員・蒼沢夏凜を演じるのが、菅井友香だ。今作の舞台裏や役者業への向き合い方、そして“ロンダリング(洗浄)”したいことを聞いた――。

  • 菅井友香 撮影:樋川正樹

    菅井友香 撮影:樋川正樹

確認しながらの「モヤが見えているような演技」

――菅井さんが演じる夏凜はどんな女性ですか?

すごくクールで、自然に笑うってことがないんです。心からの笑顔を見せることはないんだけど、仕事のときのビジネススマイルだけは完ぺきなんです(笑)。夏凜は緋山くんがアルバイトをすることになる不動産会社の社員で、厄介なお客さんにも対応するんですが、怒らせないように作り笑顔を通すのは得意なんです。でも、緋山くんに対してはそういう気づかいもいらないし、「面倒な人が来ちゃったな」くらいに思ってるから、すごく冷たいんですよね。

――ずっとツンツンしてる?

そうですね。緋山くんがかわいそうなくらい(笑)。でも、夏凜は特殊能力のせいで自分を押し殺して生きなくちゃいけなかったりとか、いろんな苦労をしてきたと思うんです。だからあえて人と距離を置くし、自分を守るためにクールに生きていくしかなかったのかなと。

――見えるはずのないものが見えてしまう、夏凜の特殊能力もユニークですね。

霊そのものが見えるのではなくて、霊がいる危険な場所を察知すると、そこに濃い“モヤ”がかかって見えるという、ちょっと不思議な能力の持ち主なんです。撮影ではモヤが見えているような演技をするんですけど、もちろん実際には見えていないので、自分でイメージするしかなくて。「私はこう見えているイメージなんですけど、合ってますか?」って監督に確認しながら演じていました。

誰もいない部屋からノックが…

――心霊を扱ったドラマの撮影現場では、不思議なことが起こりがちとも聞きますが…。

実は、1回だけあって。誰もいない部屋からノックが聞こえてくることがあったんです。でも、怖いことってその1回くらいで…。

――“その1回くらい”って!(笑) それだけでもかなり不気味だと思いますが…?

はい、怖かったです(笑)。藤原さんと2人のシーンの撮影で、前には人が住んでたけど今は誰もいないという建物のそばで待機していたときに、中から“トントン”って叩く音がして。スタッフさんは誰も気づいていなくて、藤原さんと「今聞こえたよね?」ってザワザワしてました。私は霊感がないから何も見えなかったけど、夏凜みたいに見えてたら絶対に逃げてたと思います(笑)

――そんな怖い体験も共有した“バディ”藤原さんの印象は?

藤原さんとは同い年で、なにわ男子さんでは最年長。私もグループ所属時は最年長だったので、勝手に親近感がありましたね。でも、共演させていただくのは初めてで、芸歴も先輩。最初は緊張もしていたんですけど、藤原さんがすごく明るい方で、お話ししやすい空気を作ってくださったのですごくありがたかったです。藤原さんが演じる緋山くんは、すごくまっすぐでピュアな人。そんな緋山くんと出会って、夏凜がどう変化していくのか。そんなところにも注目していただけるとうれしいです。