14型モデルと奥行きはほぼ同じ。幅がスリムになった16:10液晶の13.3型モデル
VAIOは2023年8月29日、アドバンスラインのSシリーズを刷新。個人向けのVAIO S13(型番VJS135)、法人向けのVAIO Pro PG(型番VJPG31)を発表しました。価格は個人向けで159,800円~となっています。
受注はすでに開始しており、最短お届け日は9月8日の予定となっています(vProプラットフォーム準拠モデルは9月下旬以降を予定)。発表前の事前説明を受けてきたので、新製品のコダワリポイントを紹介します。
今回発表されたのは価格と性能のバランスを重視したSシリーズ。その前に発表されたスタンダードモデルのFシリーズや、VAIO F14/Pro BKとの違いは液晶と筐体にあります。さらに軽量で電池長持ちかつLTE搭載モデルもあり、グレードの違いがハッキリしています。
なんといっても最大の特徴は、シリーズ初のアスペクト比16:10の13.3型ワイドWUXGA(1,920×1,200ドット)を採用したところ。これにより縦の表示サイズが拡大され、一方で横幅がスリム(322.9mm→299.3mm)になるだけでなく、重量も軽く(1.34kg→約1.08kg)、バッテリー寿命も延長(約16時間→21.5時間)。そして4G LTE(nano/eSIM)にも対応しています。
横幅の狭さは携行性の高さだけでなく、狭い作業スペースでも使いやすいのがポイント。筆者は普段14型ノート製品を使っているので、飛行機のエコノミーシートや新幹線ではテーブルのスペースが足りなくなりがち。でもVAIO S13なら狭いデスクでも紙コップを置いたり、快適にマウス作業を行えそうです。
また、13.3型ならば普段使いでも使用できるサイズなので(小さすぎない)、モバイルに振りすぎていて「普段使いにはちょっとな……」という問題も起こりにくいでしょう。
液晶の縦サイズが大きくなったため、アンテナの設置には苦労したそうですが、WLAN、WWAN共に液晶上部ベゼル内に収納しています。このためにWLAN/WWAN一体型のアンテナを新しく開発し、スペースを削減しています。
VAIO製品なので、安曇野工場で専任の技術者が全数品質確認を行う「安曇野フィニッシュ」ですし、パームレストは一体型アルミ製(つなぎ目があると経年劣化で目立ってしまう)、チルトアップヒンジ採用など、ハイエンド製品同等の高品質仕上げのキーボードを搭載してVAIOらしさを持っています。
カラーはブラックと13型初のブロンズの2種類(ただし、構成によってはブロンズが選べません)。ハイエンド製品ではないのでオールブラックモデルや勝色モデルはありませんが、新しいブロンズの調色に関しては染色時間と化学研磨時間を変更してしっかり確認したというこだわり抜いた内容となっています。
顔認証と指紋認証を全モデルで両方搭載しており、使い勝手の良い顔認証と場所を問わず利用できる指紋認証を使い分けられるのも特徴です。さらにwebカメラは時間軸でノイズ除去を行うTNR搭載に加え、美肌機能も搭載。
第13世代Coreプロセッサに加え、ビジネスモデルの一部にはインテルの企業向け管理&セキュリティ対応のvPro準拠(とマイクロソフトの提唱するセキュリティ要件Secured-core PC対応予定)となっています。ちなみにvProとLTEモデルではThunderbolt4/USB4にも対応しています。
これでハイエンドのSXシリーズ(6月7日発表)、スタンダードのFシリーズ(3月29日発表)とVAIOの2023年モデルがすべて発表になりました。どれを選ぶかはなかなか難しいところもありますが、性能、デザインと機能が高い次元で融合した製品なのは間違いないところです。
最後に注意事項が1つ。今回のVAIO S13/Pro PGは選択が限定されているところに注意が必要です。たとえば個人向けモデルのS13のブラウンでLTEモデルは選択がなく、ソニーストア経由の製品ではLTEモデルの選択はできません。
一方で法人モデルはRAM32GB、SSD 1TB、Core i3モデルの選択がなく、構成選択がなかなか悩ましい感じがあります。
組み合わせ構成に関しては公式サイトに詳しく載るという事なので、細かくモデルを選びたい方は要チェックです。