Windows 11 Insider Previewのタスクバーはデスクトップ下部に固定されている。Windows 95からWindows 10に至るまで、タスクバーはユーザーの使用スタイルに応じて、デスクトップの上下左右に配置できた。Microsoftがどのような意図で仕様変更を加えたのか不明だが、タスクバーを上部や左右に表示して常用しているユーザーは、若干の???を感じていることだろう。
筆者も一時期はタスクバーをデスクトップの右側に配置するなど、使い勝手の向上を模索してきたが、現在はオンライン会議用のツールを可能な限り大きく表示させるため、サブディスプレイのデスクトップ下部に落ち着いた。筆者自身はデスクトップ上部への配置はしっくりこないが、上部にタスクバーを表示するユーザーの好みも理解できる。
例えばMac OSを振り返って見ると、デスクトップ上部にはファインダーがあり、デスクトップ全体を管理するファイルマネージャーや、起動するアプリに応じてメニュー構成を変更していた。この使い勝手をWindowsでも再現するため、主にMacをメインにしつつWindowsも使うというユーザーは、Windowsのタスクバーをデスクトップ上部に配置しているのだろう。
もっとも、MacOSにおけるファインダーの設計思想と、Windowsのタスクバーを含めたエクスプローラーの役割は異なり、Windowsのタスクバーをデスクトップ上部に配置させても、macOSのように使い勝手が向上するとは必ずしもいえない。ただしWindows 11 Insider Previewも、レジストリを編集することでタスクバーをデスクトップ上部に配置できる。
レジストリの「StuckRects3」キーはタスクバーに関する情報を格納し、Windows 10以前でも使われてきたエントリーだが、タスクバーの配置場所に関するデータはWindows 11 Insider Previewでも同様だ。しかし、再サインインでは変更した値が反映されず「01」に戻ってしまうため、タスクマネージャーでエクスプローラーのプロセスを再起動させている。
これで、Windows 11 Insider PreviewでもWindows 10以前と同じように、タスクバーを画面上部に配置できるのだが、クイックアクションなどデスクトップ下部から現れるメニュー類はそのままなのは何とも微妙なところ。とはいえ、Windowsのタスクバーは起動したアプリの状況を示すだけではなく、アプリを起動するためのランチャーという役割も担っている。使い慣れた場所(画面上部)にタスクバーを配置できるという意味では、有意義なカスタマイズといえるだろう。……と簡単に検証してみたところ、最新ビルドの22000.65でこのカスタマイズが無効になってしまった(いずれ復活する可能性はある)。
前述のとおり筆者は「タスクバーはデスクトップ下部派」だが、デスクトップ上部を好むユーザーがどれくらいいるのか「フィードバックHub」で検索してみると、「Taskbar」で検索すると本件に関する意見は皆無。一方で検索キーワードを「タスクバー」に変えると、100に近い賛成票を集めている意見を見かけた。Microsoftエンジニアの返信を踏まえると、Windows 11 Insider Previewでエクスプローラー周りが安定したころには、レジストリを編集しなくても、タスクバーをデスクトップ上下左右に配置可能になるのではと思っている。