オンキヨーホームエンターテイメントは5月26日、同社取締役会において、シャープとVOXXが合弁で設立する新会社に、オンキヨーのホームAV事業をすべて譲渡する契約の締結を決議した。譲渡額は33億2,300万円。
既報の通り、オンキヨーはホームAV事業の譲渡に向けて本格的な協議を行い、以前より取引のあったシャープや、米国販売代理店 11 Trading Companyの親会社である米VOXX International(VOXX)との間で、協議を行う旨の基本合意書を締結することを決定していた。
オンキヨーのホームAV製品の製造及び販売事業を、VOXXの子会社であるPREMIUM AUDIO COMPANY LLC、及びシャープが合弁で設立する新会社に譲渡。事前の一部の債務と相殺の後、現金による決済を予定している。譲渡対象事業に係る従業員の一定割合以上が、譲渡新会社により雇用されることなどが前提条件となる。6月25日に開催予定のオンキヨー定時株主総会において承認を受けた上で、2021年7月1日に事業譲渡を実行予定とのこと。
オンキヨーのホームAV事業譲渡による対価の大半は、ホームAV事業に関連する債権者の弁済に充てられ、同社の経営状況や資金繰り、営業債務の支払遅延のすべてを解消するものではないとのこと。しかし、オンキヨーは「自らの力のみで事業運営を続けていくことは困難」であり、ホームAV事業譲渡を「唯一のとり得る方策」として選択したと説明している。
今後については、「残存する事業においても協業先やスポンサーを継続して探すとともに、構造改革やスリム化によるコスト削減を早期に実現し、小規模でも確実に収入を確保できる体制を整えていく」としている。