TVS REGZAは、4K有機ELテレビ「X8900Kシリーズ」と4K液晶テレビ「Z670Kシリーズ」を6月下旬から発売する。どちらもAndroid TVと新映像エンジンを搭載したのが大きな特徴だ。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、65V型有機EL「65X8900K」が44万円前後など。

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    65V型「65X8900K」

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    65V型「65Z670K」

X8900KシリーズはX8400シリーズ(2020年発売)の後継機種で、既存のAndroid TVではないX9400Sシリーズ(2021年発売)が上位モデルとなる。Z670Kシリーズは“新カテゴリーの製品”という位置づけだ。

■4K有機ELテレビ「X8900Kシリーズ」

  • 65V型「65X8900K」:44万円前後
  • 55V型「55X8900K」:28万6,000円前後
  • 48V型「48X8900K」:23万1,000円前後

■4K液晶テレビ「Z670Kシリーズ」

  • 65V型「65Z670K」:27万5,000円前後
  • 55V型「55Z670K」:20万9,000円前後
  • 50V型「50Z670K」:18万7,000円前後
  • 43V型「43Z670K」:16万5,000円前後

2021年夏モデルのREGZAでは、OSにAndroid TVを採用して操作性を一新しており、付属リモコンを使った音声検索や、アプリ追加などに対応する。さらに、同社ならでは高画質処理システムを組み込んだ新映像エンジン「レグザエンジン ZR I(ゼットアールワン)」を搭載。映像エンジンは5年ぶりのフルモデルチェンジとなり、15年培ってきたREGZA独自のノウハウはそのままに、Android TV向けの高いレスポンスも実現したという。ちなみに、X8900KとZ670Kの末尾の「K」は年式を表しているとのこと。

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    新映像エンジン「レグザエンジン ZR I(ゼットアールワン)」

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    ZR Iを搭載した基板を掲げる本村裕史氏

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    Android TVのインタフェース

X8900Kシリーズは、同社初となる、映り込みを抑制した新開発の低反射有機ELパネルを採用。独自のガンマ特性、輝度特性の専用チューニングも施している。解像度は4K/3,840×2,160ドット。65/55/48V型の3サイズで展開する。

65V型と55V型には、自社開発の高放熱インナープレートを有機ELパネルとメタルバックカバーの間に挟み込んで放熱効果を高め、「明るいリビングでも見やすい高画質」を追求したという。なお、48V型は標準の放熱インナープレートを装備する。

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    X8900Kシリーズは新開発の低反射有機ELパネル

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    既存のX8400シリーズ(左)と、新製品のX8900Kシリーズ(右)を並べたところ。X8900Kシリーズのほうが、暗部も含めて明るく見える

Z670Kシリーズは、新開発の高コントラストな4K/3,840×2,160ドット倍速液晶パネルを搭載。スリムな直下型高輝度LEDバックライトを組み合わせ、独自のガンマ特性、輝度特性の専用チューニングも施した。65/55/50/43V型の4サイズをラインナップする。

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    Z670Kシリーズで採用した新開発の液晶パネル

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    スリムな直下型高輝度LEDバックライトを採用

高画質機能として、2021年発売のREGZAで導入している、“美肌”表現にこだわった「ナチュラル美肌トーン」をX8900KシリーズとZ670Kシリーズでも採用。従来の「おまかせAIピクチャー」や「地デジAIビューティ」、「ネット動画ビューティ」は、映像エンジンの刷新に合わせて「おまかせAIピクチャー ZR I」、「地デジAIビューティ ZR I」、「ネット動画ビューティ ZR I」に進化。クラウド上の最新のデータベースと連携して高画質化を図る「クラウドAI高画質テクノロジー」も備えている。

HDR方式は、HDR10、HDR10+、HDR10+ ADAPTIVE、HLG、Dolby Vision IQをサポートする。

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    “美肌”表現にこだわった「ナチュラル美肌トーン」を搭載

サウンド面では、どちらもDolby AtmosにREGZA製品として初めて対応。X8900Kシリーズは「重低音立体音響システムXP」を搭載しており、フルレンジ×4基、ツイーター×2基に加え、ダブルパッシブラジエーターを密閉型スピーカーボックスに配置し、合計72W出力のマルチアンプで駆動する。

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    X8900Kシリーズの「重低音立体音響システムXP」の概要

Z670Kシリーズは「重低音立体音響システムZP」を搭載。フルレンジ×2基、ツイーター×2基をバスレフボックスに配置し、さらに重低音バズーカ(ウーファー)、トップツィーター4基からなるシステムで、計9個のスピーカーを合計60W出力のマルチアンプで駆動する。

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    Z670Kシリーズの「重低音立体音響システムZP」の概要

BS/CS4Kチューナー×2基、地上/BS/110度CSチューナー×3基を備え、番組録画に対応。番組部分とCM部分を自動判別し、見たいところから再生できる「マジックチャプター」も利用できる。さらに、別売の外付けHDD「タイムシフトマシンハードディスク」を組み合わせると、全録機能“タイムシフトマシン”モデルに進化し、タイムシフトマシン内蔵テレビのような快適操作ができるとする。

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    録画リストのユーザーインタフェースを刷新

YouTube、ABEMA、Amazon Prime Video、hulu、U-NEXTなどのネット動画再生に対応。付属のリモコンにはこの5つの配信サービスのダイレクトボタンも用意している。ダイレクトボタンのエリアには、好きなネット動画サービスを割り当てて直接起動したり、HDMI接続した外部機器を登録して一発で呼び出す「My. Choice」ボタンを初めて搭載した(2021年秋提供予定のソフトウェアアップデートで利用可能になる)。

なお、X8900KシリーズとZ670KシリーズではNetflix機能を省いており、ユーザーがアプリを自分でインストールすることもできないとのこと。別途用意した、HDMIスティック型のメディアプレーヤーなどを接続して視聴することは可能だそうだ。

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    新しいリモコンが付属

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    ダイレクトボタンのエリアに初搭載した「My. Choice」ボタン(上段中央)

Android TV採用によって操作性も向上。Googleアシスタントによる音声操作に対応する。なお、Amazon Alexaは内蔵していないが、別売のAmazon Echoシリーズなどの対応スマートスピーカーと組み合わせることで利用できるという。

従来のみるコレに代わる「レグザナビ」を新たに採用。録画番組などを見やすくする「シーン出演者リスト」、「ざんまいスマートアクセス」などは引き続き利用できる。

ゲーミング機能も強化し、最新のゲーム機が備えるさまざまな仕様に対応した新しいゲームモード、ゲーム機の出力映像に合わせて自動的に最適な映像を再現する「オートゲームアジャスト」機能を搭載する。

X8900Kシリーズは1080p/120Hz入力時に0.83msの低遅延表示に対応し、「有機ELレグザ史上、最も遅延の少ないゲームモードを実現した」としている。なお、1080p/60Hz 12bit、1440p/60Hz、4K/60Hz 12bit入力時の映像遅延時間は約9.2msとなる(パネルによる遅延を除く、映像処理による信号遅延)。

HDMI入力はいずれも4系統装備。コンテンツに応じて画質優先/低遅延優先を自動で切り替える「ALLM」をサポートする。さらに2021年秋提供予定のソフトウェアアップデートにて、HDMI入力のうち2系統(HDMI 1/2)が4K/120Hzの映像入力に対応し、映像のちらつきやカクつきなどを抑える「VRR」、Dolby Atmos/DTS:Xなどのサラウンド音声の伝送が可能な「eARC」にも対応する。なお発売時点では、NVIDIA G-SYNCや、AMD FreeSyncテクノロジーには非対応だが「今後検討する」とのこと。

HDMI以外のインタフェースは、コンポジット映像入力とアナログ音声入力、光デジタル音声出力、ヘッドホン出力、Ethernet端子が各1系統。USB端子は3系統。

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    各種ゲーミング機能の概要