米サンフランシスコを拠点とするFrameworkが、自作デスクトップPCのように自由にパーツを交換・アップグレードでき、さらにモジュールで柔軟にカスタマイズできるノートPC「Framework Laptop」を発表した。2021年夏の出荷開始を予定している。
薄型のノートPCは効率的にパフォーマンスを引き出してユーザー体験を高めるためにスマートフォンのような統合的なデザインに進んでおり、ユーザーが自身でパーツを交換できる範囲が狭まっている。例えば、メモリがマザーボードにはんだ付けされていて、メモリの故障で修理に出し、マザーボードの交換といった大規模な修理になる可能性がある。しばらくPCを使えなくなる上、電子ゴミ(e-waste)が増える問題も指摘されている。
Frameworkは、Framework Laptopを開発する上で交換やアップグレードを通じて長く使い続けられ、かつパフォーマンスや使用体験を損なわないデザインを目指した。最初の製品は、第11世代Intel Core(Tiger Lake:i5-1135G7/i7-1165G7/i7-1185G7)、13.5インチ(3:2、2256x1504)のディスプレイ、1080p(60fps)のWebカム、55Whのバッテリーを搭載。メモリは最大64GB、ストレージ(Gen4 NVMe)は最大4TB、無線LANにWi-Fi 6Eを選択できる。
キーボードの面を外して主要なパーツにアクセスできるデザインになっており、バッテリー、ディスプレイ、キーボードといった使用と共に消耗するパーツを簡単に交換可能。メモリー、ストレージ、無線LANはスロットから着脱して交換でき、将来CPUが世代遅れになってもメインボードの交換でアップグレードできる。ディスプレイ周囲のベゼルはマグネット接続で、取り外して異なるカラーに付け替え可能。パーツにはQRコードが付けられており、スキャンすることでFrameworkストアで簡単に対応パーツを見つけられる。
さらにExpansion Cardシステムでインターフェイスのカスタマイズに対応している。Framework Laptopの側面に4つのExpansion Cardベイがあり、USB-C、USB-A、HDMI、DisplayPort、Micro SD、ストレージといったExpansion Cardを選択でき、いつでも簡単に組み合わせを変えられる。さらにオーディオアンプやArduino互換のマイクロコントローラのExpansion Cardが開発中とのこと。
筐体にはアルミニウムが用いられており、サイズは厚みが15.85ミリ、重さが約1.3キロ。Windows 10がインストールされた組み立て済みモデルのほか、購入者が自分で組み立てるDIY(Do It Yourself) Editionも用意する。DIYキットはPCの全てを把握したい人、OSにLinuxディストリビューションを使いたい人にも適している。