2020年秋に「今後スマホは全機種を5G対応にする」と宣言したau。5Gスマホは、高性能かつ高額な機種が大半となっているだけに、“高すぎない”スマホの拡充が求められています。11月にauが販売を開始した「Galaxy A51 5G SCG07」(サムスン電子製)は、そんなポジションを埋める存在になりそうです。

  • auが販売を開始した5Gスマホ「Galaxy A51 5G SCG07」。auオンラインショップでの直販価格は75,435円(税込)。端末返却を条件に割引される「かえトクプログラム」を適用した場合、45,195円(税込)で2年間利用できます

ハイエンドスマホは、10万円を大きく超える高価格モデルも珍しくなくなってきたなかで、Galaxy A51 5Gは「そこそこ高性能で、そこそこお手頃」な選択肢となりそうです。スマホの性能を決定づけるチップセットはクアルコムのSnapdragon 765G。Pixel 5なども採用する、価格と性能のバランスに優れたチップを搭載しています。メモリも6GBと多めで、3Dゲームも存分に遊べます。

  • 現時点で、5Gエリアはきわめて限定的な範囲にとどまっていますが、ひとたび5Gを掴むと固定回線並み高速通信が可能です

大きいことはいいことだ

スリムベゼルの大画面は、もはや一部の高性能スマホだけの装備ではありません。このGalaxy A51 5G SCG07も、手のひらより大きい6.5インチの大画面有機ELディスプレイを搭載します。前面は平らかな板形状で、画面は上下左右で丸く切り抜かれています。インカメラは、上部の小さな穴を開け詰め込むパンチホール構造。通知エリアに隠れ、使っているときはほとんど気になりません。

  • パンチ穴型のインカメラは小さく、目立ちません

  • 大画面で表示領域は広め。まさにコンテンツを楽しむためのスマホです

  • 動画を指で拡大させ、画面を目いっぱい使って視聴できます

注目の機能としては、画面内の指紋認証センサーがあります。画面の下側に認証エリアがあり、親指を当てるだけでロック解除が可能です。指紋センサーは光学式で、Galaxyの上位製品とは異なります。光学式はロック解除までの時間が若干長めといわれていますが、Galaxy A51では認証の速度や精度も高く、1秒もかかりません。指紋センサーの位置に慣れれば、スムーズに解除できるようになるでしょう。

  • 画面オフの状態から指を当ててロック解除できます

背面のデザインはシックな印象ですが、ストライプ柄と虹色に光る樹脂フィルムを組み合わせ、実に複雑な表情を見せます。黒系カラーの「プリズム ブリックス ブラック」は、ストライプスーツのような大人な印象を与えつつ、時折のぞかせる虹色の反射に遊び心を感じます。一方、白系カラーの「プリズム ブリックス ホワイト」は嫌みのない、誰でも持ちやすいカラーだと感じました。

  • 中央が「プリズム ブリックス ホワイト」、右は「プリズム ブリックス ブラック」

  • 都会的なカラーですが、虹色に輝く遊び心あるデザインです

  • auロゴの表記はなく、「Galaxy」のロゴ下に小さく型番と製造番号が記載されています

ボディは8.8mmと少し厚めですが、大画面と4,500mAhの大容量バッテリーをぎっしりと詰め込むうえでは仕方のないことでしょう。手に持ってみると、厚みはそれほど感じません。カーブガラスによって背面がなだらかに湾曲しており、手のひらに馴染みます。重さは189gと、大画面スマホの中では平均的な重さです。

  • 上部。nanoSIM/microSDスロット

  • 下部。USB Type-Cポートと3.5mmイヤホンジャック

  • 左側面。音量ボタンと電源キーを配置

  • 右側面

高画素の4カメラで超広角もマクロも強い

少しだけ出っ張ったカメラユニットは、4つのカメラを備えたクアッドカメラ仕様です。広角と超広角という2つの画角のカメラユニットで2つ、さらにマクロや深度センサーという特定の撮影シーンに対応するためのカメラを加えて4つとなります。インカメラは3,200万画素と高画素です。

  • 背面カメラは4つのカメラを備えたクアッドカメラ仕様となります

カメラの数が多くても、実際に使う際は気にする必要はありません。0.5倍の超広角から10倍デジタルズームまで、スムーズな画角切り替えが可能です。スマホカメラらしく、AIで被写体を認識して自動で撮影効果が適用されます。

  • マクロレンズで「寄り」にも強いカメラです

ふんわりとしたボケ効果が追加されることが多く、ポートレートなどは趣深い写真ができあがる一方、食事などを撮ると濃いめに写ることが多い印象です。居酒屋のような薄暗い室内は多少ぶれやすくはなるものの、ホワイトバランスの補正は優秀で、見栄えのする写真が撮れます。

【Galaxy A51 5Gの作例】

  • メインの広角レンズは4800万画素と画素数高め。シャープな描写が魅力です

  • 人の両目の視野に近い123度超広角レンズ。風景を見たまま記録するのに適しています

  • 画質はさほど良くはありませんが、最大10倍と高倍率なデジタルズームが可能です

  • マクロレンズ搭載で小物もくっきりと撮れます

  • 食べ物はトロッとしたボケが付加され、美味しそうに撮れます

もちろん防水おサイフあります

Galaxy A51が並み居るコスパ重視のスマホと違うのは、おサイフケータイや防水・防じんにしっかり対応していることです。日本のニーズにきっちり対応できるスマホといえるでしょう。

Galaxyらしい充実したアプリ群も売りの1つ。高機能なメモアプリ「Galaxy Note」や、単語をなぞって引ける辞書アプリ、ステレオ録音可能なボイスレコーダーなど、機能的なアプリを揃えています。

  • 充実したGalaxyオリジナルアプリ

なお、テレビ機能(ワンセグ・フルセグ)はありませんが、ラジオアプリが用意されています。有線イヤホンを挿せば、ワイドFMを含むFM放送が楽しめます。

「誰でも使える5G」を体現するモデル

5G対応スマホは高性能かつ高価格な製品が多いなか、Galaxy A51は機能面・性能面ともに十分な実用性を備えつつ、防水やおサイフケータイといった日本で求められる機能にもしっかり対応しています。auがコンセプトとする「みんな5G」を体現するのにふさわしい製品といえるでしょう。

Galaxy A51 5G SCG07のおもな仕様

  • OS: Android 10
  • CPU: Snapdrago 765G(オクタコア、2.4GHz×1/2.2GHz×1/1.8GHz×6)
  • 内蔵メモリ: 6GB
  • ストレージ: 128GB
  • 外部ストレージ: microSDXC(最大1TB)
  • サイズ: 約159×74×8.8mm
  • 重量: 約189g
  • ディスプレイ: 約6.5インチ 有機EL(2,400×1,080ドット)
  • メインカメラ: 約4,800万画素(標準)+1,220万画素(超広角)+500万画素(マクロ)+500万画素(深度測位)
  • インカメラ: 約3,200万画素
  • Wi-Fi: Wi-Fi 5(IEEE802.11a / b / g / n / ac)
  • バッテリー容量: 4,500mAh
  • 電池持ち時間(5G):約140時間
  • 電池持ち時間(4G LTEエリア):約145時間
  • モバイル通信:5G(sub6)/4G LTE/WiMAX 2+
  • 通信速度(5G): 受信最大2.1Gbps/送信最大183Mbps
  • 防水/防塵: ○/○
  • 生体認証: ○(指紋認証)
  • ワンセグ/フルセグ: ―/―
  • おサイフケータイ: ○(NFC/FeliCa搭載)
  • 接続端子: USB Type-C、3.5mmオーディオジャック
  • カラーバリエーション:プリズムブリックスホワイト、プリズムブリックスブラック