ASUSが新型ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 2」を初公開した。発売日と価格は未定。

現行のROG Phoneの後継機にあたり、ハードウェアとソフトウェアの両面で、ゲームプレイに特化した性能をより強化した。世界中のメディアを集め台湾で開催されたプレスカンファレンスでは、完成したばかりのROG Phone 2で実際のゲーム体験の進化を試すこともできた。

  • 写真右が新型ゲーミングスマホ「ROG Phone 2」。ちなみに写真左が比較用の初代「ROG Phone」で、横幅は維持しつつ縦長になった印象

  • 初代に続いて今回も周辺機器が豊富。写真はROG Phone 2にジョイパッドや2画面ドックを装備した「フルアーマー ROG Phone 2」(弊誌が勝手に命名)

  • ASUSが台湾でプレスカンファレンスを開催。その席上で同社のジョニー・シー(Jonney Shih)会長が、「昨年、(初代ROG Phoneという)リアルゲーミングスマホを発表したことで、世界的なゲームチェンジを遂げることができた。今日は、これを刷新する。これは "for Gamers by Gamers" スマートフォンだ」と宣言し、「ROG Phone 2」を発表した

■(参考) ROG Phone 2と初代ROG Phoneの仕様比較
ROG Phone 2 初代ROG Phone
画面 6.59インチ AMOLED 120Hz
2,340×1,080ピクセル
6.0インチ AMOLED 90Hz
2,160×1,080ピクセル
SoC Snapdragon 855 Plus Snapdragon 845(OC)
メインメモリ 12GB 8GB
ストレージ 512GB 512GB
アウトカメラ 48MP+13MP 12MP+8MP
インカメラ 24MP 8MP
バッテリー 6,000mAh 4,000mAh
サイズ/重量 170.99×77.6×9.48mm/240g 158.8×76.1×8.3mm/200g
  • 写真右が「ROG Phone 2」で、左が初代「ROG Phone」。よく見ると背面の指紋センサーが無くなっている

  • ROG Phone 2ではディスプレイ内指紋センサーになっていた

  • 新旧端末を重ねた見たところ。厚みや横幅はほとんど同じで、縦長になっているのがわかる

本体はチップ最新化と画面改良、カメラも強力に

ROG Phone 2の処理性能の基盤となるSoCには、Qualcommが発表したばかりの「Snapdragon 855 Plus」を搭載する。CPUにKryo 485、GPUにAdreno 640という構成のSnapdragon 855がベースだが、CPUを2.84GHzから2.96GHzへオーバークロックし、GPUのレンダリング速度も15%高速化したという、最新のフラグシップ・プラットフォームだ。あわせてメインメモリにはLPDDR4X DRAMを採用し、容量は最大で12GB。ストレージ容量は最大512GBを確保した。

  • SoCはSnapdragon 855 Plusで、ノーマルの855に比べCPUを強化しており、GPUのAdreno 640も675NHzの高クロックで動作する

  • 3DMarkとAndroBenchで、競合を超えるハイスコアを出したとアピール

  • チップを強化した以上に、冷却機構も作り直した。発熱により性能が低下するサーマルスロットリングの課題も、影響を最小限に抑えられている

  • 拡張冷却装備の「Aero Active」はROG Phone 2専用とされ、冷却性能がアップ。初代との互換性はないそうだが、コネクタ形状は同じに見えた

ディスプレイも大幅に変わった。サイズが6.59インチへと大型化。パネルはAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)で、解像度は2,340×1,080ピクセル。画面比率は19.5対9とやや縦長になった。また、リフレッシュレートがよりなめらかに表示できる120Hzへ、表示応答速度も1msへと高速化したことが特長。さらにタッチパネル操作の反応速度を左右するタッチサンプリングレートも240Hzの高速仕様だ。

  • ディスプレイのリフレッシュレートや応答速度は、ゲーム画面のなめらかな描写に影響が大きい

  • タッチサンプリングレートが高速だと、例えばFPSゲームでのエイム→ショットにも差が出てくる

  • 超音波センサーで応答するAirTriggerボタンも初代ROG Phoneから進化した「AirTrigger II」に。レスポンスが速くなり、操作パターンも増えた

本体サイズと重量は、縦170.99×横77.6×厚さ9.48mmで240グラム。初代ROG Phoneから40グラム程度の増加だが、大型化した分だけでなく、バッテリーの高容量化にも割り当てている。ROG Phone 2のバッテリー容量は6,000mAhで、従来比や、競合比で見てもバッテリー動作時間を大きく伸ばした。

  • 横幅を維持することで、グリップ感は初代と変えず、縦の長さ(ゲームプレイ時の画面幅)は最大限に大きくしたという本体サイズ

  • 6,000mAhの大容量バッテリーで、単純にゲームプレイ可能な時間が伸びる

  • さらにバッテリーのユニットは寿命が長い(充電を繰り返しても容量が落ちにくい)高キャパシティ型

  • 30W充電などが可能で、大容量だが充電速度の速さにも配慮した

ROG Phone 2はゲーム体験の進化を主眼に開発されたが、実はカメラ機能もかなり充実した。本体背面のアウトカメラはソニーのCMOSイメージセンサー(IMX586)を採用した48メガピクセルのメインカメラと、13メガピクセルのセカンドカメラによるデュアルカメラ。画面側には24メガピクセルのインカメラを備える。

  • ゲームのためだけのスマホと思いきや、カメラもかなり良い

  • センサーや振動装置の充実度もすさまじいものがある

  • Wi-Fiの電波を効率よく通すための非金属パーツの配置もゲームプレイを念頭にデザイン