説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『SIMロックiPhoneはどれでも"格安SIM"を使えるようになるってホント?』という質問に答えます。

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機種は限定されますが、本当です。1月31日、日本通信とソフトバンクは相互接続に合意し、相互接続協定書を締結したと発表しました。かんたんにいえば、ソフトバンクのセルラー回線を利用した"格安SIM"を日本通信が扱える、という発表です。その格安SIMを使えば、ソフトバンクにSIMロックされたiPhoneを利用できるようになるのです。

日本通信が発表した文書には、「当社は本相互接続を使用し、ソフトバンク契約者の中で最も多くの利用者がいるソフトバンクのSIMロックがかかっているiPhone及びiPad向け格安SIMを他機種用に先行して2017年3月22日(水)よりサービス開始いたします」という一文があります。これで、ソフトバンクで購入したSIMロック解除できないiPhoneも、SIMの形状が適合するかぎり、格安SIMで運用できることになるのです。

従来、SIMロックされたiPhoneは同じ回線提供元(MNO)のSIMでなければ、仮想移動体通信事業者(MVNO)が提供する格安SIMを利用できませんでした。ドコモで購入したSIMロックiPhoneであれば、ドコモをMNOとする格安SIMを用意する必要があるのです。auで購入したSIMロックiPhoneについても同じこと(auをMNOとする格安SIMしか使えない)がいえます。

ソフトバンクで購入したSIMロックiPhoneも、ソフトバンクをMNOとする格安SIMが存在すれば同じことができたはずですが、実際のところできませんでした(SIMフリー端末で利用できる格安SIMは存在しました)。しかし、総務省がSIMロック解除に関する手続のガイドラインを見直したことにより、ソフトバンクをMNOとする格安SIMでもドコモやauをMNOとする格安SIMと同じことが可能になったのです。2月10日時点では、容量や料金体系など詳細な利用条件は明らかにされていませんが、SIMロック解除できない旧型のiPhoneを安価に使うことができることになりそうです。

ソフトバンクで購入したSIMロック解除できないiPhoneも、3月以降格安SIMで運用できることになりました(写真はイメージです)