OS Xは次期メジャーアップグレードから名称がmacOSに改められる。iOSが「iOS 10」になるため、OS Xのままだと混乱する可能性があるし、OS XがmacOSになることでiOS、watchOS、tvOSと名前の付け方を揃えられる。

4つのプラットフォームの名前に統一感を持たせるためにOS XをmacOSに改称

「macOS Sierra」の強化ポイントはContinuityとSiriだ。

ContinuityはiOSデバイスや他のMacとの連係を実現する機能である。たとえば、iOSで始めたPages文書の作成を、途中からデバイスをMacに変えてそのまま継続できる。Sierraでは、Apple Watchを装着していたらMacが自動アンロックされる「Auto Unlock」、クリップボードにコピーしたテキスト/画像/ビデオを他のデバイスで貼り付けられる「Universal Clopboard」が可能になり、またMacのデスクトップや書類フォルダの中のファイルをiCloud Driveに自動保存して他のデバイスからもアクセスできるようになる。

アンロックされたApple Watchを装着していたら、同じユーザーのMacが自動的にアンロックされる「Auto Unlock」

macOS、iOS、watchOSは一つひとつが独立しながら、Continuityによって連係することで3つが1つになる。これはAppleのプラットフォームの利点であり、従来のPCと今日のMacの違いを生み出している点である。将来的にはホームハブの役割を担うtvOSとの連係も進むだろう。macOSという名称はMacのOSを示すが、iOSやwatchOSとの関係も表現しているという点で過去のMac OSとは異なる。

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Siriについては、ファイル検索、検索結果の通知センターへのピン留め、Siriの結果からドキュメントへの画像のドラッグ&ドロップなどのデモを披露した。キーボードという快適にテキストを入力できるパーツを備えたMacにSiriが必要か、という議論は避けられそうにない。不要論は出てくるだろう。ただ、たとえばプレゼンテーションの完成が遅れている時、メッセージを開くよりもSiriに頼めば、作業を進めながらメッセージも送信できる。負担にならないマルチタスクがSiriのメリットの1つである。またプロアクティブなアシスタントを受けるなら、キーボード入力よりもSiriに音声で頼んだ方が、インタラクティブに効果的な結果が得られそうな印象を受けた。今後のSiriの進歩によって、MacにおけるSiriの役割も変わっていくのではないだろうか。

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