Apple Watchはプライムタイムのデバイスか?
Apple Watchについては、よく言えば「ポイントを上手く見せていた」、悪く言うと「見せたいことだけ見せていた」という印象だ。操作性と質感の良さは伝わってきたが、OSやUIの出来については実際に時間をかけて使ってみないと分からない。
The VergeのNilay Patel氏は、Watchインターフェイスには学習が必要で「どこにいるのか分からなくなる、何が起こるか予想できないという感覚はApple製品らしくない」と書いている。ハードウエアについても準備が整っているのか不明な点が多い。もしかすると、滑らかな動作によって、バッテリー動作時間が犠牲になっているかもしれない。
AppleがApple Watchで目指していることは伝わってくる。そこは評価したい。だが、Apple WatchほどリッチなUIのウエアラブルで、Appleが目指すユーザー体験を、今日の技術(プロセッサ、バッテリーなど)で実現できるのか、疑問符を付けざるを得ない。どこかにひずみが生じていても不思議ではない。
ただし、まだ早すぎるデバイスだとしても、Apple Watchが失敗するとは限らない。iPhoneだって、2007年に登場した初代モデルは早すぎるデバイスだった。それでも多くの人を魅了し、第3世代の頃にはハードウエアとのバランスが取れるようになって、Appleのビジョンが形になり始めた。Apple Watchはまだ、プライムタイムのデバイスではないかもしれない。そうだとしても、その時が来たら開花する可能性を感じられるものなら、このタイミングで飛びつく開発者やユーザーは出てくるはずだ。