一般ダイバーの皆さん、ロゴシーズを初体験

ブリーフィングのあとは、実際に海へ潜って珊瑚を植え付けるダイバープログラム組と、陸上の珊瑚養殖場で植え付け用の珊瑚(苗)を作るノンダイバープログラム組に分かれ、行動開始。ここで、ダイバープログラム組の一部グループが、山形カシオのダイビング向け小型トランシーバー「ロゴシーズ」の説明を受ける。山形カシオは、珊瑚の植え付けにロゴシーズが役に立てることがないか、試験的に参加しているという。

チーム美らサンゴの一部スタッフと山形カシオの関係者を除いて、一般ダイバーの皆さんはロゴシーズ初体験だ。海の中でも音声で会話ができることに、皆さん興味津々の様子。一般ダイバーの皆さんが使うロゴシーズは、主にダイビングスクールで使われている受信専用機となる。筆者のロゴシーズ体験記でもお伝えしたように、ロゴシーズでの水中会話にはそれなりの慣れが必要だ。今回の珊瑚植え付けでは、スタッフの指示を受けることに専念するため、一般ダイバーの皆さんは受信専用機を使った(指示を出すスタッフは送受信のフル機能を持ったロゴシーズを使用)。

ロゴシーズの説明を受ける一般ダイバーの皆さん

こちらは珊瑚の植え付け方を実演して見せるチーム美らサンゴのスタッフ

きれいな空と海へ向けて出発

船上でロゴシーズ(受信専用機)が配られる

山形カシオのスタッフが右耳の少し前方に装着している黄色い物体が、送受信可能なフル機能版のロゴシーズ

そしてカメラは珊瑚の植え付け場所へ…。

恩納村漁協が養殖しているドナーサンゴ(写真左、写真中央)。写真右は実際に植え付ける場所

丁寧に珊瑚を植え付ける𠮷澤さん。𠮷澤さんもフル機能版のロゴシーズを装着して潜り、山形カシオのスタッフとかなり明瞭な水中会話を楽しんだとのこと

植え付けた珊瑚の苗をカゴでガード(写真左、写真中央)。植え付けてから立派に育った珊瑚(写真右)

珊瑚の周りには魚が集まってくる

さて、海の中でロゴシーズを体験した一般ダイバーの皆さん、スタッフの指示が「声」で聞こえたことで、スムーズな行動につながったという感想だった。一人のスタッフの声を、複数人が同時に聞くという運用だが、方向や距離(あとどれくらい)を一言で伝えるだけでも、海中の集団行動にはとても効果的だ。ちなみにロゴシーズは、最大50m~100mも音声が届く(使用する環境、具体的には相手との位置関係・波やうねり・透明度・障害物によって、通信距離・音声の明瞭度は変化する)。

植え付け用の珊瑚(苗)を作るノンダイバープログラム

一方のノンダイバープログラム組は、恩納村漁協が運営している陸上の珊瑚養殖場へ。養殖場では、ある程度の大きさになるまで珊瑚を育て、植え付けに使う珊瑚の苗を作っている。このサイクルや、珊瑚の養殖そのものがうまくいくようになるまでに、何年も試行錯誤を繰り返したそうだ。ちょうど産卵した珊瑚があったらしく、珊瑚の卵の実物というとても貴重な光景を見ることができた。

珊瑚を育てる養殖場。さまざまな種類と大きさの珊瑚が元気に生きている

水槽の中にびっしり漂っている珊瑚の卵(写真左、写真中央)。写真右は、大きな水槽の中にナゼかナマコ

生田さんと飯窪さんも珊瑚の苗作り