カリフォルニア州サウスゲートに住む、ジャクリーン・クルスさんは、大学に通いながら、全米第2の規模を誇る、ロサンゼルス統一学区(LAUSD)の特別支援学級アシスタントとして働いています。勤務先のGraham Early Education Centerでは、幼稚園への入園をめざす幼児10人を受け持っています。成長していく子供を目の当たりにする喜びも、そしてネグレクト(育児放棄)された子供の相手をする難しさも糧にしながら、特別支援学級教師への道を歩んでいます。

■仕事の内容とこれまでの経歴を教えてください。

ジャクリーン・クルスさん/米国・カリフォルニア州在住/28歳/特別支援学級アシスタント

私が勤めているのは、3歳から4歳の子供たちが幼稚園の準備をする、特別支援学級、つまりプレスクールです。毎週、どのように生徒たちの学習力を伸ばしていくか先生と2人で計画を立てています。まずは、子供たちが言葉とその発音、0から30までの数え方、形、色、曜日、12カ月がわかるようにするのが目標です。勉強だけでなく、友達との関わりかたも学べるように、時間をかけて子供たちのサポートをして、成長に導きます。

私が特別支援教育アシスタントになったのは、教えるのがとても好きだったからです。障害を持つ子供たちには大きな支援が必要です。自己満足だとは思いますが、自分には子供たちが学ぶ手伝いができると思ったのです。LAUSDで働き始めたころは一般学級のアシスタントでした。それから、LAUSDのビヨンド・ザ・ベル(課外授業)部門に入り、授業時間外に勉強しなければならない5~10歳の子供たちを受け持ちました。その後、学校の授業についていけない5~10歳のためにチューター(個人指導)として算数を教えました。こうした経験を数年積むうちに、特別支援教育に情熱を注ぐようになりました。

■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?

私の平均年収は2万6,000ドル(約286万円)ですが、満足すべき額でしょう。以前は1万5,000ドル(約165万円)でしたから。私は大学に通っているので、生活費のことを考えると、お給料の大幅値上げは助かります。これも特別支援教師のアシスタントになれたおかげです。

■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?

教室にいること自体が楽しいですね。授業を通じて、子供たちが責任感を学び、責任感のある人間になっていこうとしてくれるのに満足を感じます。特に、ご両親から感謝の言葉をかけられると、本当にうれしいですね。

■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?

大変なのは、ネグレクト(育児放棄)された子供たちと接するときです。家族からちゃんと面倒を見てもらえない子供たちを見ると、心が痛みます。ネグレクトを発見したら、教師が間に入ったり、時には児童福祉相談員や警官をまじえて、問題の解決をしなければなりません。

■ちなみに、今日のお昼ごはんは?

今日は「ボッテガ・ルーイー」でチーズバーガーとフレンチフライを食べました(16ドル/約1,760円)。ロサンゼルス中心にある、食事もスイーツもとってもおいしいオシャレなイタリアンレストランです。

チーズバーガーとフレンチフライ

■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?

今、日本人の女性と一緒に働いています。彼女は日系3世で教師歴は14年。若い頃には2年半ほど日本で暮らしたこともあって、日本語もできます。特別支援学級を教える素晴らしい教師であり、私にとっては師匠と呼べる人です。彼女に感謝したいのは、いつも私の意見にも耳を傾けてくれること。チームワークは抜群で、上手にクラスをまとめられています。

■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?

日本で起きている洪水や土砂崩れが気になります。多くの人が危険な目に遭っていて悲しいです。被災地のみなさんにお祈りをささげます。

■休日の過ごし方を教えてください。

週末はボーイフレンドのエディと過ごします。ロサンゼルス周辺で開催されるコンサートやミュージックフェスティバルに行くことが多いですね。ロサンゼルスには、ステープルズセンターやノキア シアター、ハウス・オブ・ブルース・オン・サンセット、パラディウムなど、いい劇場がたくさんあるんです。有名アーティストも多数やって来ますが、地元のアーティストの公演もあります。サンクスキビング(感謝祭)やクリスマスなど、長い休暇は家族に会うのが楽しみです。

■将来の仕事や生活の展望は?

人生の目標は良い人間になり、幸せに暮らすこと! いつか特別支援学級の教師になって、妻になって、母にもなりたいです。目下の目標は大学院に進み、カウンセリングで修士号をとることですね。