ThinkPadならではの差別化ポイントは、ちょっと高くなるけど「ちょうど良い」

Bay Trailタブレットは、従来のAtom製品で感じられた「モタつき」が、かなり解消された点で、用途を限定すればかなり快適に利用できる。サイズの大きな表計算、凝ったプレゼンテーションの作成などではデスクトップPCと組み合わせるとちょうどよく、本製品は、その閲覧端末、プレゼンテーション端末として活躍してくれるだろう。

従来であれば、クラムシェルノートを組み合わせただろうところだが、8型のサイズと500gを切る質量、そして長時間駆動バッテリーがThinkPad 8の魅力で、従来のスタイルを一新してくれるだけの軽快さがある。

ただ、そうした組み合わせをする際も、基本的に個別のPCであるために、データの転送にはネットワークを使うことになるだろう。Micro SDやMicro USBなど、インタフェースが異なるために、簡単にデータを受け渡しできない点は、ちょっとやきもきする。

性能だけ見れば、普段からあまり重いデータを作成するではない業務であれば、ThinkPad 8を机上の端末として使ってもよいのではないだろうか。ThinkPad 8に搭載されたMicro HDMI端子を利用すれば、普段は机上のディスプレイに繋いで、そしてBluetoothキーボードを組み合わせれば、そのまま仕事ができる。

ただし、その意味では、従来のThinkPad Tablet用に展開されていたドックのようなオプションが欲しかった。充電も、必ずケーブルを接続する必要があるなど、もう少しスマートに活用できる仕組みがあればなお良かった。

ThinkPad 8はThinkPadブランドであるのが最大のポイントだ。ほかのThinkPadが対応しているレノボのソフトウェアが搭載されており、それが、タッチ操作中心となるタブレットでも、簡単に、目的の設定にたどり着くことを可能にしている。品質テストでも、ThinkPadにふさわしい耐久性テストをクリアしているとされ、クラムシェルよりもさらに活動範囲が広がる8型タブレットとしてはポイントになるところだ。

「8型では小さいよ」という方には、10型のタブレットを検討するだろう。ThinkPad 8の魅力は小さくて、高性能で、高解像度で、タフという4点に集約される。もっとも、10型モデルはさらに高解像度なモデル、さらに高価なモデルが中心になるので、なかなか製品選択が悩ましい。Atomタブレット全体として見たThinkPad 8は、価格は別として、ちょうどいいスペックといえるのかもしれない。