Iris Proの性能はGeForce GT 740Mをやや上回る水準

それでは、はたしてCPU内蔵グラフィックス機能がゲーミングPCのニーズを本当に満たせるのか、ベンチマークテストのスコアをチェックしてみよう。まずWindowsエクスペリエンス インデックスの値だが、グラフィックスがデスクトップ・ゲームともに6.9に達した。CPU内蔵グラフィックスで6.5以上のスコアを見ることはあまりないため、これは期待できそうだ。SSDについても、mSATAモジュール型の製品としては標準以上の性能が得られている。

内蔵グラフィックスで6.9というのは、これまでに見たことのない水準だ

SSDはランダムリードの値も十分高く、快適なレスポンスを得られる

ゲームタイトルを利用したグラフィックスベンチマークの結果を見る限りでは、特に負荷の高い重量級のタイトルでなければ、フルHD解像度でも標準的な動作が得られそうだ。ただ、720p(1280×720ドット)程度に落としたほうが、より高いフレームレートを得られるのは事実。幸い、本機のディスプレイは14型でフルHDという比較的精細度の高いものなので、静止している画面を注視するのでなければ、720pをフルスクリーン表示にしても解像感の低下はそれほど気にならない。動きの少ないタイトルではフルHD、アクションの大きいタイトルでは720pと使い分けることで、より快適にゲームを楽しめるだろう。

BIOHAZARD 5 ベンチマーク ベンチマークテストB(DirectX 10)
1280×720 72.1fps
1920×1080 45.5fps
ロストプラネット 2 ベンチマーク テストタイプB(DirectX 11)
1280×720 24.4fps
1920×1080 16.6fps
ファイナルファンタジー XIV オフィシャルベンチマーク
Low 2969
High 1576
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
1280×720【高品質(ノートPC)】 5744
1920×1080【高品質(ノートPC)】 2943

720pであれば多くのタイトルでスムーズな描画が得られる。フルHDでも実用には問題ない水準のタイトルも多い

Iris Proグラフィックスの性能をほかのノートPC用グラフィックスチップと単純に比較することはできないが、過去のレビューでの3DMarkの結果を参照したところ、「GeForce GT 740Mをやや上回る水準のパフォーマンス」と考えておけば、大きく外れることはないと思われる。さすがにGeForce GTXシリーズのチップには届かないが、それに次ぐクラスの性能と見ていいだろう。

3DMark Vantage 1.1.2 Performanceプリセット
3Dmarks P9491
GPU SCORE 7987
CPU SCORE 21820
3DMark Vantage 1.1.2 GPU SCORE
1280×720 10741
1920×1080 5399
3DMark 11 Performanceプリセット
3DMark Score P2192
Graphics Score 1936
Physics Score 7884
Combined Score 2010
3DMark 11 Extremeプリセット
3DMark Score X720
Graphics Score 641
Physics Score 7852
Combined Score 788

3DMark Vantageや3DMark11の結果を見る限り、GeForce GT 740Mの性能は超えたといえるだろう

キーボード左右に見られるメッシュ風のデザインの部分は装飾のみだが、両サイドの底面側にステレオスピーカーが搭載されている

タッチパッドは一番奥の部分を除き全面がクリック可能。面積も広く操作感は良好

従来であれば外付けグラフィックスチップが必要だったゲームが、CPUの内蔵機能のみでも楽しめるようになったことで、ゲーム環境をよりスマートに持ち歩くことが可能となった。特にオンラインゲームにハマっているときなどは、外出先でもゲームの世界にログインしたいということも多く、そのような場合にもモバイルできるゲーミングPCは頼もしいツールとなる。またカジュアルゲーマーであれば、ゲームを楽しむためのメイン環境がモバイルノートであっても、ストレスのない時代がやって来たともいえるだろう。ノートPCでゲームを楽しむスタイルの変革を、期待させる一台となっている。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 NEXTGEAR-NOTE i200SA1
ディスプレイ 14型フルHDノングレア液晶(1920×1080)
CPU インテル Core i7-4750HQ
メモリ 16GB PC3-12800 DDR3L SO-DIMM
SSD 128GB(mSATA接続)
HDD 1TB SerialATAII
チップセット モバイル インテル HM87 Express
光学ドライブ
グラフィックス インテル Iris Proグラフィックス 5200
OS Windows 8 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN
インタフェース USB 3.0×3(右側面×3)
サイズ W340×D253×H20.9mm(折り畳み時)
重量 約1.8kg
バッテリー駆動時間 約5時間
価格 129,990円(税込)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2013/9/27(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。