Sandy Bridgeベースだが性能に不足なし

続いては各種ベンチマークテストで性能を見ていきたい。価格や本体サイズ、重量面では高水準でバランスの良い本機だが、やや気になるのはSandy Bridgeベースのハードウェアを内蔵しているという点だろう。一般用途でのコンピューティング能力で言えば、Ivy BridgeとSandy Bridgeの間には、動作クロック差から大きく乖離するような性能差は無いと予想できるが、本機での実際のところを確認しておきたい。

総合性能を見るWindows Experience Indexと、PCMark Vantage、プロセッサ性能を見るCHINEBENCH R11.5、ついでに3Dゲーム性能を見る3DMark Vantageの結果を以下に示す。

「Windows Experience Index」の結果。ストレージのスコアはなんと7.9

「PCMark Vantage」の結果。ここでもストレージのスコアが次元の違う数字を出し、総合スコアを押し上げている

「CHINEBENCH R11.5」の結果。レンダリングスコアはまぁ妥当な数値

「3DMark VantageのEntry」とPerformanceプロファイル適用時の結果。内蔵グラフィックスとは言え、Sandy Bridge世代にもなるとそれなりの数値が出る

結果の総評だが、全体的に言うと、省電力版にSandy BridgeベースのPCのスコアとしては、健闘した数値が出ている。要因はSSDの性能だろう。このLuvBook Xでは、コンローラICにSandforce SF-2281を採用した、自作PC市場などで見ても最新世代のSSDが採用されており、これが本機の性能に貢献している部分が非常に大きい。以下にCrystalDiskMarkの結果を示すが、数値は高性能なデスクトップPCに匹敵するものとなっている。

「CrystalDiskMark」の結果。最新コントローラの恩恵でかなり高速

ついでに0Fillテストの結果。圧縮が効く環境ではさらに高速化が期待できる

ベンチマークのスコア以上に、このSSDの採用が、実際の使用環境での、実感を伴った快適動作に及ぼす影響は大きい。近年のPCの実使用感における性能ボトルネックは間違いなくストレージにあったわけで、CPUの速度向上以上に、Luvbook Xの高速SSDの採用は重要なトピックと言えるだろう。

続いてはバッテリを見ておきたい。バッテリ駆動時間はJEITA測定法による公称で約5.5時間。今回は、ディスプレイの輝度設定を10段階の6に設定し、Windows版FINAL FANTASY XIのベンチマークソフトであるVana'diel Bench 3 Ver1.00をHigh設定でループ実行し、バッテリを使い切るまでの時間を計測してみた。その実測で3時間29分という結果で、JEITA公称の5.5時間と比べて妥当と言える結果だろう。欲を言えば、あと2時間分ほどバッテリ容量が増えてくれると、持ち歩きでの安心感がかなり変わる気がする。

ちなみに、バッテリ測定ついでに確認したVana'diel Bench 3 Ver1.00のスコアは2978で、同ベンチの公式指標では、FINAL FANTASY XI for Windowsをデフォルト状態で快適に動作させることができる、「つよPC」ということになる。最新3Dゲームは流石に厳しいだろうが、本機でも、一般的なオンラインゲーム程度であれば動作に不安は無いものと考えられる。余談だが、スコアが3000を超えると、もう一段上の「とてつよPC」という指標に入るので、ちょっと惜しかった。

Ultrabook初参入にしてかなりの完成度

LuvBook Xは、特に重量とコストパフォーマンスを重視するユーザーにとっては、かなり有力な選択肢だろう。実はUlrabook、薄くて軽いとは言うけれども、1kgを切るという選択肢自体が、そもそも極端に少ない。アンダー1kgノートの需要が欧米では弱いからなのだろうか、日本メーカーとしてのコダワリが無いと、そもそも1kg以下という考えにはいたらないからなのかもしれない。

その上で、価格の面では普及価格帯のUltrabookと同等を実現している。さらに実機を使ってみてわかったのが、"仕事"にも過不足無く使えそうなキーボードの優秀さだ。各社から次々と豊富に市場投入が拡がっている、数多のUltrabookの中でも、競争力は上位に位置する製品に仕上がっていると評価したい。