こうした新機能に加え、電話、メール、Safari、FaceTimeといった従来からある機能にも、さまざまなアップデートが行われる。たとえば、電話については、着信時に「応答」と「拒否」だけではなく、「Reply with Message」と「Remind Me Later」というボタンが表示される。前者は電話の変わりにテキストで相手にメッセージを送る機能。電車に乗っているときや、会議中など、応答はできないが相手に自分の状況を知らせたいというシーンで役に立ちそうだ。後者の「Remind Me Later」は、その名のとおり着信があったことを指定した時間や場所に基づいて知らせる機能のこと。着信時に設定しておけば、うっかり折り返しを忘れてしまったという失敗が減りそうだ。

電話着信時の画面には「Reply with Message」と「Remind Me Later」という選択肢が追加された

電話がかかってきた相手に、テキストメッセージで返信できる

時間や場所に応じて、不在通知があることをリマインドする

メールには「VIP」という機能が加わる。重要な相手を登録しておくと、通知にVIPからメールがあった旨が表示されるほか、VIP専用のメールボックスも作成される。パスワード保護されているOfficeデータの添付ファイルに対応したり、メール一覧を画面下にドラッグして新着を確認できたりと、細かな改善点も多い。Safariに関しては、「iCloud Tabs」に対応。Macや別のiOSデバイスで開いているタブを、ワンタッチで呼び出すことができるようになった。リーディングリストは、オフライン表示に対応し、ネットワークにつながっていない場所でもサイトを閲覧できる。日本では、地下鉄のトンネル間などでまだ電波の入らないことも多いため、そのような場所で、あらかじめ読み込んでおいたサイトをチェックするといった使い方が可能になりそうだ。従来のiOSでは、SafariからiOSデバイス内のデータを参照できず、SNSなどに画像を投稿できなかったが、この仕様も改められる。

メールの相手をVIPに選ぶことが可能になった

VIPからのメールは、本文の一部もロック画面に表示される

VIPからのメールには★マークがつく

メールボックスにもVIPができ、VIPからのメールだけをチェックできる

添付ファイルのドキュメントは、パスワード保護されたものも読み込める

ドラッグでの更新も、今までメールになかった機能だ

Safariは「iCloud Tab」に対応した

リーディングリストはオフラインでの表示が可能になる

Safariから写真がアップロードできるようになった

Wi-Fi接続時にしか利用できなかったFaceTimeは、携帯電話回線にも対応する。いわゆるテレビ電話に近い形式のため音声通話の完全な代替にはならないが、FaceTimeには発着信ともに料金がかからないというメリットがある。ユーザーにとっては便利なサービスだが、音声通話を提供する携帯電話会社には悩みの種になりそうだ。

Facetimeが携帯電話網にも対応。電話番号でも発信できる