不要なシーンをカットしたダビングに対応
録画番組を再生するのも、DVDやブルーレイディスクにコピー/ムーブするのも、PCastTV3から行う。「録画番組」をクリックするとライブラリが表示されるので、再生やコピー/ムーブしたい番組を選ぶ。再生機能で便利なのは「音声付き早送り」機能だ。文字通り音声を再生したまま早送りする機能で、1.2倍、1.5倍、2.0倍の3段階の再生スピードを選べる。音声は聞き取りやすく、番組のハイライトだけ見たいときや、録りためた映像を流しておきたいときなどに重宝するだろう。
コピー/ムーブを実行した場合は、「編集ツール」を呼び出してチャプターを編集する。チャプターを挿入し、不要なチャプターのチェックを外して編集結果を保存するのだが、実際に試してみると長時間の番組を編集するのはかなりしんどい。プレビュー再生がなく、スライダとスキップボタンでチャプターの挿入ポイントを探さなければならないのと、映像表示にそれなりのタイムラグが発生するので根気が必要なのだ。
編集ツールは不要シーンのカットに特化している。画面右下の操作ボタンでチャプターを挿入するが、プレビュー機能がないのですべて手動で行う必要がある(写真左)。チャプターの挿入後、削除したいチャプターのチェックを外し、「ムーブ」をクリックしてディスクに書き込む |
コピー/ムーブ自体は、「書き込み開始」をクリックしてディスクに書き込むだけとシンプルだ。編集した番組もDRモードで書き込まれるため、最小の待ち時間ですむのはうれしい。外付けドライブを使っている場合は、「設定」をクリックしてドライブを選ぶ必要がある。
価格に納得できるかが鍵
DT-T70/U2はシンプルなTVキャプチャボックスだ。スマートフォンやタブレットデバイスとの連携、ホームネットワークへの映像配信といった付加的な機能は持たない。このように割り切っているからこそ、テレビ視聴や録画予約、そして編集もすべて1つのソフトウェア(PCastTV3)で完結できたという一面もありそうだ。ただ、PCastTV3のインタフェースには少しクセがあり、慣れるまではいろいろ戸惑うこともあるかもしれない。
バッファローのWebサイトで推奨環境を見ると、CPUが「Intel E6300同等以上の性能を持つCPU」とある。これだと「Intel Core 2 Duo E6300(1.86GHz)」か「Intel Pentium E6300(2.80GHz)」か分からず(おそらく前者だとは思うが)、動作クロックにも大きな開きがあるので、情報の更新を望みたい。
話を戻すと、機能的に少々もの足りないところがあり、他社の多機能製品と比べてコストパフォーマンスが落ちるのは否めない。とはいえ、小型の本体や機能/ソフトウェアのシンプルさに魅力を感じる人は多いと思うので、価格面で納得できれば有力な選択肢となるだろう。
なお、バッファローのTVチューナー製品は、DT-T70/U2のほかにもたくさんある。トランスコード機能の有無や、携帯デバイスなどとの連携機能の有無といった点を比較しながら、別の製品も検討してみてほしい。
■「DT-T70/U2」の主な仕様 | |
受信放送 | 地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタル |
---|---|
映像記録形式 | MPEG-2、MPEG-4 AVC/H.264 |
録画解像度 | 放送内容に依存 |
録画ビットレート | 約1Mbps~24Mbps |
デジタル放送機能 | 字幕放送、EPG、データ放送、双方向サービス、音声多重など |
アンテナ入力 | F型コネクタ(地上/BS/110度CSデジタル混合入力) |
インタフェース | USB 2.0 |
本体サイズ/重量 | W73×D105×H12mm/約65g |
対応OS | Windows XP(SP2以降)/Vista/7 |
価格 | 15,700円 |