調査会社の米IDCは1月25日(現地時間)、クロスプラットフォーム開発ツール「Titanium」の製品などで知られる米Appceleratorと共同で実施したモバイルアプリ開発者を対象にした最新調査報告「Appcelerator IDC Mobile Developer Report, January 2011」を発表した。以前までiPhoneやiPadといったiOSプラットフォームの人気が高かった同調査において、Androidがスマートフォンとタブレットの両面で人気を獲得しており、iOSとともに2トップを形成している。一方でBlackBerryやWindows Phone 7といったライバル勢は大きく引き離された状態で、さらなるアピール戦略が必要となりそうだ。

これは両社が1月10~12日の間に2200のアプリ開発者を対象に実施したもの。以前に両社が実施した2010年9月の調査報告では、同時点で最も優先すべきとしたプラットフォームが「iOS」だったのに対し、長期的視点で最良だと思われるプラットフォームでは「Android」が高いポイントを得るなど、好対照の結果になったことが知られている。今回も引き続き両プラットフォームに対する注目が高く、以前はiPad一人勝ち状態だったタブレット市場もAndroidで製品ラインが一挙に出揃ったことで、ようやく同じ土俵に立ちつつあるといえるだろう。IDCではモバイルアプリ開発の分野は実験的フェイズが終了し、今年2011年は本格的にビジネスとして立ち上がる時期だと予測している。

開発者が"非常に"興味を持っているプラットフォーム (出典: Appcelerator、IDC)

今回の同調査における最大の注目はタブレットだ。タブレット市場におけるプラットフォームごとの関心度合いは、iPadが以前の9月の調査時に84%だったものが87%に、Androidタブレットが62%から74%、BlackBerry PlayBookが16%から28%、webOSタブレットが新登場の16%と大幅に伸びている。製品が実際に登場、あるいは発売時期が近付いてきたことで、それまで唯一と呼べる存在だったiPad以外にも関心が移りつつあるといえるかもしれない。

ただ、製品が完全に統一されているiPadに対し、Androidはメーカーごとに特色ある製品が用意される形となり、ビジネス的可能性も未知数のため、今後の成功に不安の声もある。こうした開発者らにAndroidタブレット成功のポイントを聞いたところ、トップが「価格」、次いで「断片化を最小限に抑えること」という互換性などの問題が指摘されている。特に価格については、SamsungのGalaxy Tabが登場時点で2年契約付き価格が500~600ドル程度、さらに今年春登場が見込まれるMotorolaの「Xoom」が800ドルで提供されるというリーク情報もあるなど、先行するiPadに対抗するには非常に厳しいという見方もある。 一方で、タブレットに話題が移ったことで、相対的に昨年時点でもう1つの注目株だった「スマートTV」への関心が薄まっている。Appcelerator-IDCの調査では、Apple TVとGoogle TVともに関心を寄せる開発者の割合が2桁ポイントで減少しており、厳しい状況にあるといえるかもしれない。原因の1つは現時点でのGoogle TVの立ち上がりがうまくいっていないこと、そしてスマートTV向けのアプリ提供環境がまだ用意されていないことにある。今年はまずタブレット、そして次にスマートTVなど第3のデバイスという形で、順次移行していくのかもしれない。

開発者が興味を持っているスマートTVプラットフォーム (出典: Appcelerator、IDC)