2006年のランキングでトップ3社の売上を見ると、1位のIntelが304億ドル、2位のSamsungが201億ドル、3位のTIが119億ドルといった具合で、おおよそ100億ドルずつ差が付いている。9位のHynixが80億ドルであることから見て、トップが飛び抜けており、2位は何とか食らいついているが、3位以下は団子状態というレース展開に見える。この状態では3位以下での少々の順位変動はあまり大きな問題ではなく、単独2位のSamsungに追いつけるかどうかがまずは問題だろう。

Gartnerの分析では、2006年の市況を牽引したのはDRAMの需要だというが、この状況は長続きしないようだ。2007年頭のWindows VistaのリリースでPCにこれまで以上のメモリ容量が必要となるという予測だったが、実のところWindows Vistaのリリースはほとんど市場に影響を与えなかったと言われており、DRAMの在庫がだぶつき、価格が低落傾向にあると報じられた通りだ。そのため、DRAMで業績を伸ばした企業は来年のランキングでは順位が急落してしまうかもしれない。

プロセスの微細化に関しては、Intelが2007年中に45nmプロセスでの量産出荷を開始する予定だ。一方、他社では順次微細プロセスへの自社での取り組みを諦める例が目立つようになってきている。最先端のプロセスの採用に関しては、Intelの強さが圧倒的だ。ただし一方でそのIntelに関しても、かつてのように最新プロセスをいち早く採用することで大きな先行者利益を手にする、という状況ではなくなっており、プロセスの微細化のために要する投資負担の大きさは無視できない規模になっているように思われる。ビジネスとして正当な見返りが見込めない規模にまで投資額が膨らんだ段階で見直しが行われるとすれば、今後2年ごとにプロセスの微細化を進めていくとしているIntelの方針も、いつまで維持できるかは不透明だろう。