編集部員が見た! 東京にいたら知ることがなかった「石垣島の本当の姿」
「石垣島」は、白い砂浜と透き通った海が美しい、沖縄の離島。
今までそう思っていました。
透明度の高い海でダイビングを楽しんだり、大自然の中でサイクリングしたり……豊かな自然に包まれた美しい島だと。
2月某日、私は初めて石垣島に降り立ちました。人口約5万人の石垣島は、竹富島や小浜島などの八重山諸島の玄関口となる離島。羽田空港や成田空港はもちろん、中部国際空港や関西空港、福岡空港からも直行便が運航しています。
島に向かう上空から最初に見えたのは、透き通った海と雄大な自然。「あー、やっぱり石垣島は想像通りの南国リゾートだ」。そう思いました。しかし、島の中を散策してみると、だんだんと想像と違う一面が。
今回は、初めて石垣島に訪れて感じた、東京にいては見えない「石垣島」の姿をお届けします。
新しい石垣島を知れる特別な旅
そもそもなぜ石垣島に行こうと思ったかというと、日本旅行から販売される「サステナ島旅 ISHIGAKIJIMA」に参加するため。
「サステナ島旅」とは、SDGs未来都市に選定されている石垣島を対象に、今後観光の主流となる地球にやさしい活動をいち早く取り入れたサステナブルツーリズムのこと。石垣島の雄大な自然環境や歴史文化を未来につなげることを目的としたツアーです。
3月16日から3泊4日もしくは4泊5日で楽しめるツアーで、環境にやさしいバイオ燃料を利用した航空機や送迎バスを使用するほか、海の美しさを未来につなげるビーチクリーン活動や、循環型農業から育まれた地産地消ブランド豚を使用したスペシャルディナー&民謡ライブが含まれた工程となっており、今話題の「SDGs」をテーマに企画されました。
ツアーに参加しないと体験できない2つのこと
今回の「サステナ島旅」では、東京にいるだけでは知らなかった“石垣島の新たな一面”を見ることができるポイントが、大きく2つあります。
1、ガイドブックには載っていない「ビーチ」の現実
まず1つ目は、ツアー2日目に体験する「ビーチクリーン」で見ることができます。上陸するまでは、美しい砂浜だと思っていたビーチですが、実は八重山諸島全体で年間約500トンの海洋プラスチックゴミが漂着しているのだとか。
ビーチに足を運んでびっくり。そのゴミの量に圧倒されました。
ビーチクリーンをアテンドしてくれる田中秀典さん(通称・ヒデさん)は、以前よりもずく漁師しており、石垣島で「もずく専門店」を開くために、2019年に移住したそう。
「移住したは良いものの、2019年はもずくが大不作で食堂のオープンが難しい状況に。その原因のひとつの海面水温の上昇には、地球温暖化が関わっていると知りました。夢の実現が難しくなり、やり切れない気持ちの中、自分にも何かできることはないかを考えた時に、『ビーチクリーン』をやってみようと思ったんです」とヒデさん。
中国・東南アジアを中心としたゴミが漂着
以前は、東京に住んでいたヒデさんにとって、地球温暖化は身近ではない話でした。石垣島の自然を守るために、自分にできることはあるのか、何かを始めたとして続くのか……。混沌とした気持ちの中、「石垣島のために何かしたい」という思いが本物か確かめるため、レジ袋が有料化した2020年7月から100日目標でビーチクリーンを開始したそう。
「最初は一人で始めたビーチクリーンも、SNSを見て友達が集まってくれるように。まずは100日と思っていましたが、気づけば今日で953日になりました。」
ペットボトルに、ビンやサンダル、中にはマネキンが漂着することも。ビーチクリーンとして始めた活動は、ビーチだけにとどまらず、アースクリーンとして毎日欠かさず活動するヒデさんは、さまざまな漂流物を見てきました。
ビーチに降り立つまで、きれいな砂浜があるものだと思っていましたが、想像を絶するゴミ の量に、衝撃を受けました。もちろん、島には私たちが想像する通りの美しいビーチもたくさん存在します。しかし、その裏側で、ガイドブックには載っていない砂浜が存在するということを、今回のツアーで知りました。これは、実際に自分の目で見ないと分からなかった現実です。ビーチクリーン体験は、今まで石垣島に抱いていた「青い海・白い砂浜」の印象を大きく覆す、貴重な経験でした。
漂着ペットボトル からアップサイクルされた「オリジナルTシャツ」を着て、ビーチクリーンを行います
現在ヒデさんはアース クリーンで拾ったペットボトルなどのゴミをアップサイクルし、商品化する活動をしています。ビーチクリーン当日に着用するTシャツもその一つ。漂着ペットボトルを原料に、繊維会社と共同して制作したものです。他にも、ペットボトルのキャップを使ったアクセサリーなども制作しているそう。
ハワイのお守りとされる「フィッシュフック」をモチーフとしたストラップ
「今は海洋プラスチックのごくごく一部ですが、規模を拡大し将来的には海洋ゴミにとどまらず、島内の行き場のないプラごみたちも、アップサイクルしていきたい」 と語るヒデさんは、私の目にとてもまぶしく映りました。
2、循環型農業でつくられた島オリジナルブランド豚「南ぬ豚」
2つ目の特別体験は、サステナ島旅限定で「南ぬ豚陶板焼き」を食べられるということ。
沖縄といえば「アグー豚」が有名ですが、石垣島にある「やえやまファーム」では新しい品種「南ぬ豚(ぱいぬぶた)」を飼育しています。南ぬ豚は、アグー豚と西洋豚の掛け合わせた豚に、石垣島産パイナップルの加工残渣を発酵させた飼料を与え、育てた豚のことを指します。
西洋豚の肌色とアグー豚の黒色が混ざった「南ぬ豚」
オリジナルの飼料を与えることで、豚の腸内環境が整って、甘みが強く質が良い「南ぬ豚」が育つのだとか。さらに、豚のふん尿は、液肥化して敷地内の牧草地に還元され、育った牧草をファームの牛に与えます。そして、牛のふんは堆肥化として、豚のエサとなるパイナップル畑に還元するという循環型農業を実現しています。
ディナー会場となる「舟蔵の里」
本ツアーでは2日目のディナーとして、「南ぬ豚」を使ったサステナ島旅限定のオリジナルメニューを楽しむことができます。
サステナ島旅限定オリジナルメニュー
南ぬ豚そのものの味を楽しむことができる「陶板焼き」は、特製のつゆにつけずとも、口の中にやさしい甘みが広がる、広がる……。一見、脂が多そうに見えますが、しつこくなく何枚でも食べたい、と思える贅沢な時間でした。
そして、「陶板焼き」だけでなく、前菜や副菜も地元の食材を使用した郷土料理ばかり。どの料理も、そぼろや豚バラ、ミミガーなど、豚をふんだんに使っており、豚の旨みが楽しめるメニューとなっています。
陶板焼きと同じくらい私が好きだったのが、「豚角煮島野菜添え」。沖縄ではラフテーと呼ばれる角煮ですが、あまりの柔らかさに驚愕。箸で簡単に切れるほど、柔らかく煮込まれたお肉に思わず笑みがこぼれてしまうほど。角煮だけでなく、他の料理も絶品で、石垣島に来たからにはぜひ食べてほしい、と思えるものばかりでした。
さらには、石垣島在住の唄者・金城弘美さんによる民謡ライブも食事と共に楽しめます。八重山諸島で歌い継がれている八重山民謡を聞きながら、郷土料理を食べる時間は、贅沢なひとときとなること間違いなしです。
飛行機・バス・ホテルも「サステナ島旅」仕様
東京にいるだけでは知らなかった“石垣島の新たな一面”を知れるプログラムを体験できる「サステナ島旅」ですが、この2つ以外にもサステナブル なポイントが。
当日石垣島に向かう飛行機は、「ANA Green Jet」を利用。今回のツアーでは、航空輸送時の二酸化炭素排出量が実質ゼロにできる“持続可能な航空燃料”を使用し、さらには機体表面には、飛行中の空気摩擦抵抗を低減する特殊加工が施された機体となっています。
機内も環境に配慮したヘッドレストカバーの採用や、LED照明・機内BGMにもこだわっており、「サステナ島旅」への気持ちを高めてくれる機体で、石垣島に向かうことができるのも魅力の一つ。
他にもツアー当日に島内を巡るバスが、再生可能な生物資源を原料にした代替燃料(バイオ燃料)を使用していたり、宿泊施設も「おきなわSDGsパートナー」に認定されたホテルから選択できたりと、サステナブル な島体験が叶います。
東京にいては見えない景色を石垣島で
ツアーに参加するまでは、「白い砂浜と透き通った海が美しい、沖縄の離島」だと思っていた石垣島。しかし、「サステナ島旅」に参加したことで、今まで知らなかった、知ろうとしていなかった石垣島の一面を知るきっかけになりました。
今回の経験は、個人で石垣島に遊びに行っていたら、見ることのない現実の姿だったと思います。ニュースなどで見ることはあっても、身近ではなかった現実を目の当たりにして、かなりの衝撃を受けました。
ビーチクリーンのヒデさんも言うように、東京にいては「地球温暖化」を身近に感じることはほとんどありません。しかし、石垣島に訪れ、実際にビーチのゴミを拾い、循環型農業に触れたことで、他人事から自分事になったと感じています。
「サステナ島旅」は、3月16日から3泊4日もしくは4泊5日で開催されますが、3日目(4泊5日の場合、3・4日目)は終日フリーとなっています。
そのため、石垣島の魅力あふれる自然や観光地を楽しみつつ、通常では体験できない“新たな一面”を知ることができる特別ツアーに参加して、石垣島のさまざまな姿を見てみてはいかがでしょうか。きっと東京にいては見られない景色を見ることができますよ。
ツアー概要
「サステナ島旅 ISHIGAKIJIMA」
開催日:2023年3月16日より3泊4日もしくは4泊5日
基本プラン:航空券、宿泊、社会活動イベント、スペシャルディナー&民謡ライブ
ツアー詳細・お申し込みはこちら:https://sasutenashimatabi.com/
(取材・文:鈴木麻葉/マイナビウーマン編集部)
※この記事は2023年02月18日に公開されたものです