花王が革新的なUVケア技術を開発! UVカット効果と使いたくなる塗り心地を両立させられたワケは
花王は、紫外線防御成分の水相への配合を可能にする独自のカプセル技術を開発したことを発表しました。このカプセル技術を活用することで、UVカット効果と使いたくなる塗り心地を両立する日焼け止めを実現できたのだそう。メディア向けに開催された「花王 UVケア グローバル戦略説明会」にて詳細を聞いてきました。
花王は、紫外線防御成分の水相への配合を可能にする独自のカプセル技術を開発したことを発表しました。このカプセル技術を活用することで、UVカット効果と使いたくなる塗り心地を両立する日焼け止めを実現できたのだそう。
メディア向けに開催された「花王 UVケア グローバル戦略説明会」にて詳細を聞いてきました。
花王の革新的なUVケア技術とは
長年にわたり、日焼け止めの研究を続けている花王。2015年、独自に紫外線顕微鏡を開発し、日焼け止めが紫外線からどの程度肌を守っているのかを可視化することに成功しました。
その紫外線顕微鏡を使用したところ、日焼け止めを肌に塗布しても、ミクロレベルの隙間から紫外線が侵入してしまうことを発見。日焼け止めの課題は「肌をしっかり覆う膜を作ること」だと捉えるようになったといいます。
日焼け止めは、紫外線防御成分である紫外線吸収剤(油)・紫外線散乱剤(粉体)によって、肌を紫外線から守ります。この紫外線吸収剤と紫外線散乱剤はどちらも水になじまないため、日焼け止めに紫外線防御成分を多く配合するにはオイルベースの設計にするのが一般的でした。
その一方で、みずみずしく使い心地が良いのは、ウォーターベースの日焼け止め。紫外線から肌をしっかり防御することと繰り返し使用したくなるような使い心地のよさを両立させるには、ウォーターベースの日焼け止めに紫外線防御成分を多く配合できるようにする必要がありました。
そこで花王が着目したのが、水相。紫外線防御成分を閉じ込めた水になじむカプセルを活用することで、不可能だと思われていた「水相に紫外線防御成分を入れる」ことを可能にしました。
この水相を有効に利用する独自のカプセル技術によって、肌の溝にも紫外線防御成分が広がり、肌の上で均一な膜となって紫外線から肌を守るウォーターベースの日焼け止めの開発に成功。ミクロレベルで肌を守るウォーターベースの日焼け止めを実現させました。
このカプセル技術は、塗布時に壊れず厚みのある塗膜を形成する「固体のミクロカプセル」と、紫外線防御成分を大量に含み塗布すると崩れて均一な塗膜になる「寒天ハイドロゲルカプセル」の2つのタイプがあるのだそうです。
花王独自のカプセル技術を体験
「花王 UVケア グローバル戦略説明会」では、花王独自のカプセル技術のデモンストレーションを受けることもできました。
紫外線を黒く写す花王独自のUVカメラで、水に紫外線防御剤を配合したものと、水に紫外線防御剤と開発したカプセルを配合したものを写すと、カプセルを配合していない方は紫外線防御剤の部分のみが黒く写ったのに対し、カプセルを配合した方は全体が真っ黒に。カプセル技術によって、紫外線から肌を均一に守れることがわかります。
また、寒天ハイドロゲルカプセルと高抱水性ポリマーを組み合わせることで、外部の湿度変化に応じて塗膜が吸放湿して快適な感触を持続させる技術も体験。
従来の日焼け止めを手の甲の左側、寒天ハイドロゲルカプセル×高抱水性ポリマーの技術を取り入れた日焼け止めを右側に塗布してミストに当てると、左側はベタつき、テカリが目立っているのに対し、右側はサラサラしていてテカリも目立ちません。
花王は、この技術を活用した商品を、国内だけでなくグローバルでも展開していく方針なのだそう。花王の革新的なUVケア技術を活用した新商品に、今後も目が離せません。
栗田優花
くりたゆうか※この記事は2025年02月25日に公開されたものです